現出し始めた理念経営のネオリーダー

理念経営の成功者というと伊那食品工業の塚越寛会長や樹研工業の松浦元男社長など骨太の達観した経営者が浮かびますが、そうしたいわばクラシカルな伝統的経営者像とは別の新しいタイプの理念経営者が出現し始めているという感を強くしています。

特長をいえば、いわゆる熱血漢ではなく、いたって普通、ノーマルな感じなのです。決してカリスマとは称されることはないタイプです。しかし、やってきたことはすごいものがあり、人は見かけによらないということを地で行っています。

理念経営のネオリーダーとでもいうべき彼らに共通によく見られる点を挙げると・・・

〇30歳~40歳代が多い
〇バブルを知らない
〇社員第一主義を強く意識している
〇ゴルフなどやらない
〇こだわりが半端ない
〇正しき経営の真摯な実践
〇掲げる経営理念がみごと

といったことが指摘できます。

ここでは全部解説できませんが、いくつか詳しく述べてみます。

ゴルフについて→

三度の飯よりゴルフ好きという社長は、この世には沢山いますが、ネオリーダーはゴルフをしないか、ほとんど興じることはありません。ゴルフで知り合い、付き合いが始まる取引も少なくないことはわかっているけれど、そうした馴れ合う関係性から生じるビジネスチャンスを機会だとは思っていません。それよも真に自分たちの事業で生涯のクライアントになってもらうために自身の人生時間を消費しようということに思いが向かいます。

正しき経営について→

社会保険料のごまかしやサービス残業、さらには法律ギリギリの節税などといった、目先の利益をもたらすような誘惑には毅然とした態度で臨んでいます。取締役以外の社員には全員1分単位で残業代を支払う、パートであれ法で決まった要件を満たしていれば一人残らず社会保険に加入する、出来るだけ多く納税することを目標にしている、など普通の社長では目をつむりたくなる労務や税金面についても、こういう枝葉末節的な経営事項こそ正しく守ることで永続につながると信じて真摯に実践しています。

世の中の新しい現実をふまえて、こうしたネオリーダーがこれから沢山、認識できるようになってくると予測しています。

というよりは、そういう方々が増えてくることで、わが国は新たな明るい社会を建設できるのだろうと思えるのです。

小林秀司

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です