冬の一日

野口具秋です。

豪雪が日本中を襲い、連日雪害のニュースが報道されない日はない。
屋根の高さまで雪に覆われた画面を見るたびに、
版画家の斉藤清が描く奥会津・坂下町、高田町の雪景色が浮かびます。
街灯に照らされた越後・長岡市街の堆い雪は冷たく白く光り、
行きかう人もなく不思議な雰囲気を
冷気と静寂さが際立立させていました。

外に出ます。敷き詰められていたビニールがなく、
消火ボンベの収納箱が空色から赤く塗られていました。
ペンキの香りがします。住まいの塗装工事なのです。
北側で陽も当たらず寒さが沁みます。
若者が懸命に刷毛を動かします。
頑張って!とドリンク剤を差し出すと、
小さくにっこりと頷くのです。

いろいろ考えあぐねた末、
週に1度通う教室へ徒歩で通うことに決めた。
歩くか走るか何とか努力しろと医者が言うのです。
数年間、素通りの足を止め、太めの柴犬と交歓することにしました。
ウンともスンともいわず、すり寄ってくるのです。
帰路、再び呼んだが、寝たままでワンとも反応がありません。
我儘なデブ犬です。

メガネを3個差し出します。まだスーパーの2階にありました。
相当な年配店員が調整してくれた。ふんふんと独り言をいいます。
良い感じですというとまだまだです。
調整が全て終了すると嬉しそうに差し戻してくれます。
汚れた鼻パットとまで無料で交換してくれました。
語ることがサービスのすべてではありませんでした。

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