日本再生の序曲始まる~動き始めた『島根未来創造モデル』

「日本でいちばん大切にしたい会社」がベストセラーになる以前から、著者坂本光司先生の経営学に啓発され、志ある島根県の商工政策を担う行政マンの皆さまは粉骨の努力をしてきました。
坂本先生は、もう20年も前から島根県内の中小企業の経営革新を継続的に指導してきたそうです。

そうしたご尽力の賜物として、この数年、今後、中小企業を中心に地域を活性化させていく基幹モデルが島根県で確立しつつあります。

それを「島根未来創造モデル」と称させていただき、どのような取り組みが行われてきているのがご紹介することにいたします。

★経営者への啓蒙

2010年から「人財塾」という経営者向けの講座が開設されました。地元の企業経営者に対して「日本でいちばん大切にしたい会社」に登場するような人を大切にして永続する企業になるための経営革新の指導を坂本教授が施すという内容です。毎年30社近い企業が参加して、「人本主義」や「理念経営」を経営者が学び、自社で実践してきています。

★幹部候補への啓蒙

そして、昨年から「人財塾」を修了した経営者の企業を中心に、今度は幹部候補に対して次世代経営のマネジメントを学び実践するための「マネジメントセミナー」がシリーズ化されました。私のような実務家である法政大学大学院坂本研究室のメンバーが講師としてかかわり、日頃研究していること、また実務で効果のあった経営革新の手法について、その実践ノウハウを提供しています。

今回は28社41名の地元中小企業の幹部候補の方々が参加されました。

経営者が坂本先生の薫陶を受けている会社ばかりですから、気合の入り方が半端ではありません。
研修会場に入った瞬間、これは意識が高いと感じたほどの前向きな方ばかりでした。
ですからこちらもいきなりトップギアであっという間の研修時間となりました。すごい濃さです。

参加した会社は、経営者、幹部が人本主義、理念経営を本気で実践しています。
間違いなく島根県をリードする企業群が形成されてくるに違いありません。

★地元若者への啓発

島根県の本気度がすごいのはここからです。
経営者→幹部ときた後、今年から新しい企画をスタートさせることになりました。
国立島根大学で「実例 中小企業経営論」という講義を立ち上げることになったのです。
来年度は県立島根大学でも実施する企画が進んでいます。

この講義をなんと私立である私ども法政大学大学院坂本研究室が受託することになりました。
そのほか、坂本先生が著書で取り上げた地元企業や人財塾に参加されている企業の経営者などが講師を務めます。

将来ある地元の若者が、人を大切にする経営を実践している企業を見極められるように慧眼能力を涵養していくことが目的です。都会の大企業に就職先を求めがちな若者に対して、地元にも素晴らしい企業がたくさんあることを知らしめ、優秀な若者が卒業後地元定着をしていくことを促進していこうとしているのです。

こうした取り組みを恒久的な地域活性化事業としていくためにNPO法人が立ち上げられました。
設立メンバーの顔触れがすごいのです。

商工会議所会頭、商工会連合会会長、中小企業団体中央会会長、経済同友会代表幹事、そして地元の優良企業の経営者の面々がズラリと並んでいました。オール島根の体制で、坂本イズムを島根県の中小企業に浸透させることを本気で動いているのです。

坂本先生の20年にわたり、ひたむきにされてきた努力がこうして素晴らしい果実として結実しつつあることに感動しています。そして、それに当事者として自分が関われていることに感謝いたします。

この島根未来創造モデルが成功すれば、全国に展開できます。
坂本研究室のメンバーが全国を飛び回る日々がやってくるようにしていくことが私たちのミッションといえるでしょう。
そうなっていけば大企業ではなく地元の人を大切にする中小企業が全国で輝く時代が到来してきます。

今、島根で日本再生への序曲が静かに、けれど熱く始まりました。

小林秀司

『島根未来創造モデル』の取り組みを紹介する地元メディア
http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=533039004

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