人を大切にする経営を高校生に語る


どんな展開になっていくのか、どんなことを話そうか、いつもとは違い、話す内容が定まらない状態で司会者に紹介されました。

もう迷っている場合ではない。

自分が話せることは、ここまで見てきたこと、聴いてきたこと、感じてきたこと以外にないと度胸を据えて演台の前に立ちマイクを握りました。

先週、なんと高校生たちの前で「人を大切にする経営」のことについて講演をさせていただいたのです。

高校2年生全クラスが対象です。400人ということでした。何十年ぶりかの学校の体育館が会場です。

自己紹介で社会保険労務士のことから話し始めましたが、???という状態の生徒たち。

一般社会だって、この資格のことの認知度はまだ低いから無理もない。

これはいかんということで、早々に大学院で学んでいることに話を切り替えました。

時代が大きく変化してきて、これからの時代は、儲かって規模の大きさを競うのではなくて、人を大切にする会社が中心になってくること、そういう会社は5人に対する幸せを追求し実現していく会社なのです。という具合に展開していきました。

そして、ベタな投げかけを行いました。

「みんなは、幸せということについて考えたことがありますか?

どういうときに幸せを感じますか?

神奈川県は川崎に日本理化学工業というチョークを作っている小さな工場があります。

今から50年前に、その会社に近くの養護学校の先生がやってきて・・・」

日本理化学工業の奇跡のドラマを語りかけた途端、ざわついていた体育館が、信じられないくらいシーンと静寂に包まれました。

そして多くの生徒が顔を上げて私の方を食い入るように見つめ始めました。

予想以上にみんなの頭に情景がイメージできたようでした。

幸せの4つの原則の話に至ると体育座りをしながらも熱心にメモを取る生徒の姿が目に入ってきました。

それからは沖縄教育出版、坂東太郎、そして地元のさんびると誰が聴いても胸が熱くなる人を大切にする会社のストーリーを立て続けに話してあげました。

ゆとりが出来て、会場内左右前後を見回しながら話を続けましたが、見える限り居眠りをしている生徒は見当たりません。

あっという間に与えられた1時間が終わりました。
明らかに、いい話を聞けたという生徒たちの表情になっていました。

今回は「生きること、働くことを考える」というキャリア授業の一環で招聘されたのです。

今の日本の高校生たちは、こんなにも感受性がいいのかと新鮮な驚きをもちました。

体操界に颯爽と登場したあのシライと同世代。
新人類とは違う超新人類が今わが国に、輩出されつつあるのかもしれません。

この子たちの感性が活かされるのは人を大切にする会社に他なりません。
きちんとそういう会社に就職できるようにもっといろんな高校でやってみたいと新たな夢が出来ました。

講演後、「感動しました、お話が本当に上手いですね。きっと生徒にも伝わったと思います。」と校長先生。

だとしたら、心からうれしい。

将来、あの子たちが今日の話を思い出して、人を大切にする会社に就職して幸せな人生を歩んでいってくれたなら、こちらも本当に幸せです。

この高校も人を大切にする社会づくり先進県、島根の高校。本当に素晴らしい県です。

小林秀司

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「人を大切にする経営を高校生に語る」への2件のフィードバック

  1. 小林さん
    おはようございます!
    お役目ご苦労様でした。
    真剣に話しをしたこと、きっと生徒さん達に伝わったと思います。
    小林さんの話から、何かを学び実践してくれる生徒さんがでてくれるといいですね。

  2. 村田さん
    ありがとうございます。
    人を大切にする経営の素晴らしさは老若男女問わず、心に伝わる普遍の原理原則と改めて確認できました。これからも世に伝道していきます。