強く生きたいと願う君へ

坂本先生の多くの著作の中で、私にとって大切な3部作があります。第1は、シリーズ合計65万部発行の大ベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社』。次に本ブログで何度かテーマにした『経営者の手帳』、そして今回のテーマである『強く生きたいと願う君へ』です。

『経営者の手帳』は自分も含めた経営者が、迷ったり悩んだりした際に本を開くと判断の軸となる指針が示されています。

『強く生きたいと願う君へ』は、松下幸之助著『道をひらく』と共に社員研修の教材として以前から活用しています。『道をひらく』は1968年初版発行ですから半世紀近く読まれている510万部発行の大著です。

『強く生きたいと願う君へ』は15の節で構成されています。
1.「なくてはならない人」になる。それが「力」をつけることだ。
2.仕事を正しく定義する。そこに、「生きる道」が拓ける
3.いま戦うことが、強い生き方とは限らない
4.人の器はみな同じ。そこに、何を入れるかで人生は決まる。
5.全体を見晴らしながら、「目の前の仕事」に全力をつくせ。
6.現象にまどわされず、常に本質を見極めろ
7.必ず、自分の目で見て、自分の手で触れなさい。
8.耳は二つ、口は一つ。「声なき声」に耳を傾けなさい。
9.一%の素敵な人に会いたければ、百%の人々と会いなさい。
10.喜びも悲しみもともにする、そんなチームをもちなさい。
11.「強者」でなく、「本物」をめざせ。
12.人生に遅すぎることはない。
13.涙の数だけ、人は強くなれる。
14.「痛み」を知りなさい。それが、君に力を与えてくれる。
15.人生でいちばん大切なものを知りなさい。

どの文章も、坂本先生が人生から体得された珠玉の言葉で丁寧に紡がれています。読んでいるうちに心の表面についた汚れが洗い落とされ、スッキリとした気持ちになります。「よしっ、やるぞ!」という気がみなぎってきます。

この『強く生きたいと願う君へ』を教材に社員研修を行うと、その場の空気がとても優しく穏やかなものになってきます。研修の回数を経るごとに社員の利他的な行為が増え、社内の協力体制が強くなっていくことを何度も実感しています。

坂本先生は本著のあとがきでこのように書かれています。本当に強い人が最終的に手にするのは「勝利」ではなく、「幸せ」です。ああ、いい人生を送ることができたという「幸せ」なのです。
強く生きたいと願う人に、幸せになりたいと思っている人に、是非手にとっていただきたい一冊です。

春木清隆

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「強く生きたいと願う君へ」への3件のフィードバック

  1. 坂本先生が僕に「強く生きたいと願う君へ」をプレゼントして下さったことがあります。
    歯を食いしばって生きてきましたが、弱い僕を先生は見抜いていたのだと思います。
    僕にはずっと努力しても越えられない壁があり、まだまだ迷いながら生きているのだと思います。
    さっさと死んで楽になりたいと思ったことは何度もありますが、それでも生きないといけない意味を坂本先生から教わった気がします。
    生きる基準を他者との比較やお金や地位ではなく、どう生きるか?どう生きたか?を基準に善事を為すことが出来れば、いつかその壁を越えられて、幸せな最期を迎えられる気がしています。
    僕も強く生きたいと願っています。

  2. 春木さん
    おはようございます!
    この本を読んでやる気と勇気をいただいたという記憶があります。
    坂本先生の人間としての魅力が、この本からもうかがい知ることができます。
    また読んでみます。
    ご紹介ありがとうございます。