未来工業株式会社への感想

6月24日、人を大切にする経営学会主催の企業視察で、岐阜県の未来工業さんに行ってまいりました。創業者の故・山田昭男氏にお会いできなかったことが大変に心残りでしたので、今回の訪問が叶って本当に有難かったです。

ご子息の山田雅裕社長のご講話は実に明快で、特に印象的だったのは、あるエピソードで、いち女性社員の意見にも、上から目線ではなく、真摯に謙虚に耳を傾けられて、理解や思いやりを持たれる感性のしなやかさです。社員の幸せを考える創業者の想いが継承されていると感じました。

会社、工場内のここかしこに「常に考える!」のパネルが掲げられており、独創性のある商品開発のため、社員に「何故、ナゼ、なぜ」を考えるクセの定着のためなのですが、パネルの数が30を超え、その徹底ぶりに感心いたしました。

また、どんな提案にも1件500円という提案箱制度も、社員の「常に考える」の促進のためであり、ある改善提案により600万円のコスト削減に繋がった例があるそうです。

社員の創意工夫を引き出す楽しい仕掛けの数々に驚きながら、ベースに流れる人本経営の考え方を確認できた1日でした。

以下、ご講和の一部です。

◎創業時の方針は、下請けはしない、オリジナリティーを追求する!

◎創業時のビジョンは、高額所得法人になること。高額所得法人は全企業の3%にすぎず、その3%に入るためには、他の97%と違うことをやろう。わが社は差別化を目指そう。

◎未来工業の仕事は2つある。1つは、物を売ること。1つは、お客様からの情報収集をすること。未来工業の存在価値は、新商品の開発である。営業ノルマ制とすると、売上げに走って、情報収集の時間がなくなるから、営業ノルマ制をしかないし、営業日報もない。そのかわり、新商品開発に特化した情報収集のための情報日報にしよう!

またノルマ制の弊害に、営業マンが次の会社に回りたくて時間を気にしてソワソワするようになる。そんな営業マンにお客さんは信頼をおくだろうか? お客のため1日を棒に振って残ってくれる営業マンをお客さんは気に入ってくれるのでは? これこそが差別化である。

◎ホウレンソウ禁止。ホウレンソウはキャンペーンにすぎず、キャンペーンには強制感、やらされ感がつきまとう。やらされ感は最大の敵。やらされ感を持って社員は100%力を発揮できるのか? 

ご講和の最後に、「社員が笑顔で働いている。社員がこの会社を好きでいるを、目指します。」と社長は締めくくられました。

機会があれば、また訪問させていただきたいと思います。ありがとうございました。

M1 本田 佳世子

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「未来工業株式会社への感想」への1件のフィードバック

  1. 本田さん 
    おはようございます!
    たった今、創業者の山田さんの講演CDを聞着ながらのコメントですが、しゃべりかたはハチャメチャですが迫力満点です(^^ゞ