お母さんの最後のおむすび

6月27日の坂本ゼミで坂本先生から配布された資料に、私が尊敬し信州の同郷人である鎌田實医師の「お母さんの最後のおむすび」が紹介された。

42歳の母がスキル性胃ガンになり余命3か月と診断されたが、1年8か月も生きたという。

高校3年のお子さんだけでなく下の高校2年の卒業式までも見てあげたという。

医師が許可し病院から家に帰ってくるたびに子供達のお弁当をつくった。
最後のお弁当となった日も立てるはずのない最後の力を振り絞っておにぎりのお弁当をつくった。

「お母さんが最後に作ってくれたお弁当はおむすびでした。そのおむすびを持って学校に行きました。久しぶりのお弁当が嬉しくて。
昼の時間になってお弁当を食べようと思ったら、切なくて切なくて、なかなか手にとることができませんでした。」

お母さんの人生は40年ちょっと、とても短い命でした。でも、命は長さじゃないんですね。お母さんはお母さんなりに精一杯、必死に生きて、大切なことを子供たちにちゃんとバトンタッチした。

鎌田医師によると、こうしたことは科学的に証明されていて、希望を持って生きている人の方がガンと闘ってくれるナチュラルキラー細胞が活性化するという研究も発表されていると言う。希望が体の中にある見えない3つのシステム、内分泌、自律神経、免疫を活性化させたのではないかと思います。

人間は「誰かのために」と思った時に希望が生まれてくるし、その希望を持つことによって免疫力が高まり、生きる力が湧いてくるのではないかと思います。

何回か紹介させていただいた福島市のクラロンさんの田中須美子会長、亡くなったご主人の意志を継ぎ、多くの障がい者の社員のために必死で生きている。御年91歳。

師匠の坂本光司先生、68歳、ゼミ生の誰よりも重いキャリングケースを共にしながら歩くのが速い、全国を駆け回っている。世のため人のために。

金曜日に観劇した宝塚歌劇の「1789」、フランス革命の物語だ。贅沢品を買いあさった王妃マリーアントワネット、最後は追いつめられても逃亡しなかった。子供達がいたことが大きいと思う。

妻として母として歌い上げる曲は演者は未婚であるが充分に心に響いた。

人は自分を捨て、他人のために生きた時が最高の生き方だと思う。

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「お母さんの最後のおむすび」への1件のフィードバック

  1. 知野さん
    感動的な詩でした
    希望や利他の大切さが再確認できました
    本田 佳世子