アドバティク・レヒュースさん

ちくま新書から新刊の「日本でいちばん社員のやる気が上がる会社 家族も喜ぶ福利厚生100」を法政大学大学院、坂本光司教授とゼミ生で執筆した。

日曜日は掲載できなかった代表格の埼玉県三芳町の「石坂産業」さんを紹介し一昨日は、同じ、かつては3Kと言われた産廃業者、福島駅から徒歩5~10分の「こんの」さんを紹介した。

今日は、群馬県前橋市の「アドバンティク・レヒュース」さんだ。

同社の素晴らしい点だ。

1.1984年の創業当初から創業者の堀切健吉会長が、「5人の社員の幸せ」を念頭に置いた。
そのような会社を創らないのであれば会社を立ち上げる意味がないといった覚悟で、法政大学大学院坂本光司教授が37歳の頃なので驚異的な考え方だ。
驚異的な考え方は、会長が日産自動車で労働組合の執行部時代に会社と社員の狭間に立った体験から生まれた。

2.HPに優良産廃処理業者認定制度に係る公表事項が掲載され、財務諸表も掲載されている。中堅・中小企業の中ではまずないことだ。
しかも、2期分の諸表が3期分掲載されているので4期分となる。株主総会や株主の集いでも公表説明する。その透明性の甲斐あって、今や社員持株会が39.6%(金額にして5千万円)もの株式を所有する「社員の30%以上が株主社員でみんなの会社」となった。

3.運輸を含めドライバー獲得に苦心をされている業者が多い中で、ドライバーは無線仲間同士で情報交換をしている。
良い会社だと聞きつけ、他社のドライバーから電話があったり、自社のドライバーから紹介がある。人財採用に困る事はない。これも3Kと言われる業界にあっては異例だ。
人件費は、一人当たり年8,232千円とTKCの同業黒字企業の5,112千を大きく上回る。しかも、労働分配率はピーク時にあっては75%で同時期のTKC同業黒字企業38.9%を大きく上回る。

4.転職を繰り返した方の最後の職場となっている。創業以来、1人の解雇者も出していない。
業務怠慢で他社なら解雇に値するような社員も、教育を徹底することで最後まで面倒を見る仕組みを創り上げている。

5.社員のための諸制度は、上記の他、試用期間から全員正社員、営業ノルマはなく家族優先で早帰りを推奨、賞与年3回(夏・冬・決算)、月次賞与、年末手当、お年玉、毎年昇給(7月)、65歳までの再雇用は設立当初である31年前から、実質、本人が辞めるまで雇用を継続、年間休日114日、等がある。

6.20年に亘り障がい者を雇用してきたが、その者も晴れて昨年26年2月25日に定年退職となり、今は障がい者を直接雇用していない。代わりに「とも」という社会福祉法人のグループを支援している。「とも」を率いる「亀田好子」所長も素晴らしい。

「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」受賞までは、障がい者雇用を始めたり、社員を増やして残業時間をより削減することだと思う。

一昨年に数名のゼミ生で訪問した際に最寄りの駅まで20分くらい送っていただいた。
30代だが、大手銀行員では出る杭の存在で相当叩かれたが、それを活かしていると感じた。

新刊の97Pには同社に転職したことで結婚できた社員の事例が掲載されている。

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