経営学会の通説が、経営の現場の企業から少しずつ崩されつつある

長文です。

「さらば価格競争」
「利益を追わなくなると、なぜ会社は儲かるのか」
「いい会社のつくり方」

世の中を変える、法政大学大学院 坂本光司教授とゼミ生等の3部作と言って良いだろう。
「さらば価格競争」を出版した商業界さんが表紙をさらば価格競争にした「商業界12月号」も3部作と同様に結果として空前の売れ行きで感謝したい。

アマゾンの伝説の土井英司さんに推薦していただいたのも大きいようだ。感謝したい。

私が坂本光司教授の門を叩いて入学して2年8か月、坂本教授が言い続けてきた「人を大切にする経営」が急速につぼみをつけようとしている。
花と言いたいが、「経営学や学者の考え方を変える革命」なので難関だからだ。

大きく変えたのが、2年半前に設立された「人を大切にする経営学会」。設立時には400人余りだったが、現在は1000人を超す。
入会金は不要で年会費は1万円、学生会員は5千円だが来年の4月には千円になる。

「人を大切にする経営学会」の設立総会に這ってでも行くと言って参加した岐阜県の自宅は北方町、会社は大垣市の服部義典さんが中日(東京)新聞系列の社説に「幸せを生む経営革命」と題して紹介された。

2年後の姿を先日、紹介させていただいた。一部を紹介したい。

坂本教授とゼミ生が毎週交代で岐阜女子大学で講義をしているが、先週の11月4日11時からの90分の講義。

外見は普通に見えるが障がい者1級で心臓を始め臓器が左右反対で内部障がいを持った同級生で24日に45歳になった服部義典さんが行った。

私と同じく2年半前に入学したが、1年前に3日間、生死を彷徨い、以来、休学しているが、本人の希望で講義をした。

1か月前に寒くなってから両ふくらはぎに痛みを感じるというので、当日の送り迎えをすることにした。当日、自宅に到着するとお父さんから「具合が悪い場合は救急車を呼んでくれ」と初めて聞く言葉。

車で40分、「終わったら、美味しいラーメンが食べたい」と聞き、大丈夫と思った。
ゼミのまとめ役の同級生の西森さんが三宅学部長を通して服部さんのことを事前に学生にも伝えていただいていた。服部さん、酸素量が普通の人の40%程度しかないので、3メートル程度歩いてしばらく休まなくてはならない。

操作するPCを机上に椅子に座って50分間、力強く講義を終えた。「100人に1人は心臓に障がいを持っている」から始まり、自分の身体の状況や大学を卒業しても筆記試験は良くても、健康診断の結果で就職できない。地元の役場や近くの市役所でも当時は障がい者採用の枠はなく、一所懸命に就職先を捜した。1社だけあった。社長のお子さんが障がい者の会社だ。6年間勤務したが、同じ内部障がい者の仲間がまったく就職できない。

意を決した。
仲間が就職できる会社を創ろう。ここから先は、障がい者が生き生き働いている鹿児島市のラグーナ出版さんから2014年に出版した「幸せな職場のつくり方 障がい者雇用で輝く52の物語」の48Pから掲載されている「ウェルテクノス」の社長なので他の物語を含めて読んで欲しい。女子学生から質問があったが、社名の由来も52の物語に掲載されている。

服部さんのお金の価値観。去年、服部さんはカプセルホテルに泊まっているという噂が教授の耳に入り、結果として服部さんと一緒に何度かカプセルホテルではないホテルに宿泊した。先日、改めて聞くと「社員は家族を持って一回しかない人生なので、できるだけ多くの給与を支払いたい」。「自分は社員より給与は安い」と言っていた。

服部さんの講義の最後に後半のグループワークの課題が提示された。
①重度障がい者の生きる意味を考えてみてください。②自分の生きる意味を考えてみてください。

服部さんと西森さんと私でラーメンを食べ、自宅へ送った。
しばらく立ってから三宅先生からメールをいただいた。そのメールを受けてこんな内容でゼミ内メールをした。
服部さんの講義、力強く、素晴らしかったです。パソコンを前に座って講義したので話しやすかったと思います。ご自身の体験談で説得力があり、相当、準備をしたと思います。
数日前から寒くなり体調が思わしくなかったですが、話をしながら気持ちが高揚し、最後は学生から拍手が起きました。

三宅先生からです。
本日は、貴重なお話をお聞かせいただき誠にありがとうございました。学生たちは(私達教員もですが)、ご自身で障がいを持ちながら志高く生きていらっしゃる服部様の姿に感動いたしました。
学生たちの意見として多かったのは、
・服部さんの生きる姿に感動した。
・自分の悩みはちっぽけだと思った。
・障がい者のことをもっと知るべきだと思った。
・自分も服部さんのような社会人になりたい。
・前向きに生きることの大切さを考えることができた。
・人生について改めて考える機会になった。といったものです。

(私)多くの女子学生が涙でした。
終了後、障がい者を支援したいと起業を考えられている学生が服部さんに質問をしました。時代は良い方向へ流れ始めていると感じました。
西森さんも同感だと思いますが、服部さんの講義を受講して感無量です。

重度障がい者、相模原で19名が、、、。服部さんによると障がい者が殺されたこともあったと言う。ネットで検索すると戦争時は残念ながら事実のようだ。
服部さんの大学院の研究テーマは「ウェルテクノス」の起業の動機と同じだ。

服部さんと知り合って、例えばJRの名古屋駅、東京駅でさえもエレベータやエスカレータがあっても端から端まで歩かなくてはならない等、障がい者には辛いことに気づいた。

坂本教授、21世紀の新しい主役は障がい者と言う。服部さんが女子学生に課題を出した①②について考えたい。

2年後の東京(中日)新聞系列の社説に「さよなら「価格競争」経営」と題して掲載された。2年前の記者と同じ記者だと推定するが、会社の意思を伝える社説、論説委員や幹部でも2年前には疑問を呈した方がいるだろう。記者と東京・中日新聞の方々にも感謝したい。

服部さんは立派な講演をされたが講演者ではない立派な経営者だ。
服部さんと同じような境遇を持った講演のプロの「佐野有美」さんがいる。感動の講演をされる。

9月12日に坂本ゼミの今年の夏合宿第2弾、大阪・兵庫コースで訪問させていただいた、ほこりも飛ばさないと噂が飛ぶ優しい運転をするドライバー集団の「新宮運送」の木南一志社長が2年連続で佐野さんを招聘している。
本物が本物を招聘したと言って良いだろう。

経営学会の通説が、経営の現場の企業から少しずつ崩されつつある。

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