動きなはれ!

2年前の9月23日に法政大学で開催された「人を大切にする経営学会の設立総会」と雰囲気は似ていた。

最初の講演は、法政大学大学院 坂本光司教授の「人を大切にする経営とは」。
週に2~3回の講演をされ毎回、全力投球されるが、いつもより気合いが入っていた。

企業は誰のモノか。
教授が30代の時にある大学のトップが「俺が金を出しているから、俺のモノだ」と言った。
教授、辞表を出したかどうか不明だが、辞表を叩き付け辞職した。
会社は、モノではなく社会みんなのモノ。

仮題だが、「人本経営学序説(原論)」を来年1年間で書き上げるらしい。
300P以上の大作になるようだ。
ベストセラーだけでなくロングセラーにもなると想定される「さらば価格競争」「利益を追わなくなると、なぜ会社は儲かるのか」等と同じような事例は入らない。
既存の白い巨塔の「経営学」とは真逆のもの。

元世界銀行副総裁の西水美恵子先生のピンチヒッターは、「認定NPO法人 テラ・ルネッサンス」の創業者・理事の「鬼丸昌也」さん。37歳、学生時代から海外へ。
ボコ・ハラム、ISと同じように、子供を誘拐し脅かし、兵士の訓練をさせた後、自分の「母親を殺せ」、「できないなら母親の腕を切れ、できなければ母親とお前を殺す」と言われ、やむをえず母親の腕を切る、
そんな残虐なことをやらせるコンゴや南スーダンを拠点とする「神の抵抗軍」の存在を教えてくれる。

5歳の子供でも打てる軽い拳銃。武器を作っているのはアメリカ、ロシア、欧州数か国、韓国の先進諸国。立派な軍事産業で多くの雇用も生んでいる。
周辺の国々へ武器や資金を提供し、戦争し続けさせる。
戦争がなくなればと思うが、多くの雇用を生む産業として成立しているので止められない、悪循環だ。

平和ぼけしている日本人、一人当たりのGNPは東南アジアの数カ国には抜かれている。
そんな日本人でも、行動を起こせば変わる。
坂本教授始め参加者が涙した素晴らしい講演だった。

感動する講演。感動する私が好きな宝塚歌劇公演は共通点がある。
講師、受講者、主催者、受付、、。主役、脇役、指揮者、演奏者、照明、。観客が役に関係なくみんな自分の役割を無心でやりとげた時だ。
3.11以降、そこにお互いに他人を思う絆が加わっている。

意外かもしれないが、良い役を演じようとすると上手くいかない。不自然な心が不自然な動きにつながるのだろう。
感動の公演は、準備を可能な限りやって無心に演じる時、不自然な心がなくなるからだろう。

土曜日の講演が感動的だったのは、残念ながら聴けなかった西水先生の本を多くの方が読み、「ナディア」と最新刊「私たちの国づくりへ」には無心の日本人の実践例を執筆した西水先生の純粋な心があったからだと思う。最新刊には鬼丸さんの紹介もされている。

動きなはれ!

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