「向瀧」、むかいたき

福島県の会津若松市の「向瀧」、むかいたき。

静かに昔ながらの風情を楽しみたい。
カラオケ、マージャンはないが一人ひとりのお客さんがくつろげる気配りを感じる。

かつては、親父と喧嘩をして3日間は家出をした。番頭によって値段が違った。お客様からクレームになった。
社員22名、パートさんは6名。今でこそ、新卒は三分の二、2002年5月に社長になった時は社員・スタッフからは反対ばかりだった。

旅館に限らず、老舗にはどこにも2代目3代目の苦しみがある。
新入社員は最高だが、社長自ら中途・パート社員を採用し、社員・スタッフが過半数にすることは王道である。過半数を超えるとベテランの持ち味を出せば軌道に乗る。

綺麗で素敵な「平田真智子」若女将との馴れ初めを、元・看護婦でご主人が入院してのパターンで探りを入れたが、5時間かかると、はぐらかされてしまった。

法政大学大学院 坂本光司教授と数名のゼミ生が「平田裕一」社長の話を伺った。

客室は24室、一室、一室、創りが違う。
手を加えていない自然な旅館。

社長はかつては旅行代理店に勤務していたが、旅行代理店からの申し込みはJRのみ、じゃらん等は10数パーセントのみ。大半はネットが半分、電話が半分。

お部屋係のお姉さん、お兄さんは一つ一つの言葉を大切にされている。この地域の分からないことを質問すると調べて回答してくれる。

年に2回、社員とスタッフがお客さんとなって普段気づかないことを改善されている。毎日4回はコミュニケーションをしている。

料理は地元の食材を活かしている。社長、女将、板長、板前5~6人の創作料理。
坂本教授は昼食のみ、私は夕食も楽しんだが、翌朝5時55分始発の電車で岐阜市へ向かったので朝食は断念。

お風呂は源泉掛け流し。熱い風呂・「きつね湯」、家族風呂も3つある。空いていれば中から鍵をかけられる。私はぬるめの「さるの湯」に二度入った。

視察を仕掛けたのは会津弁のゼミ生の本田さん。
夏に、ご両親と楽しむようだ。

HPにご主人と女将さん、社員、パートの方の想いが凝縮されている。中庭のライブカメラもある。
毎日、更新していることもあってHPを楽しみ、若いカップル・夫婦の利用も多いようだ。

向瀧さん、3.11で避難者を受け入れなかった。4月の桜の花見を常連さんがあったから。
すべて予約がキャンゼルとなり売上はゼロが続いたが、社員、パートさんは離れなかった。毎日、館内を磨いた。

似たような話を思い出す。
札幌市の洋菓子・ケーキが美味しい「きのとや」さん。最大の危機の際は社員とスタッフがお店と工場を磨いた。
危機の時に社員・スタッフとトップの真の人間性が表れる。
きのとやさん、1997年に食中毒事件を起こし下痢や発熱で101名の被害者が出て5日間の営業禁止の時。

倒産を覚悟したが、担当した社員は誰か分かっていたが社員を責めず社員の前で社長が謝罪し、自然に「社員の幸せと社員の家族の幸せ」を考えた。社員を名指ししていたら大量に辞めていたかもしれない。責任を社員になすりつける社長は多い。

店舗には最大の危機を教訓に、「KINOTOYA3つの約束」が掲げられている。
「1.安全・安心」「2.おいしいお菓子」「3.温かいおもてなし」。

会津若松は、郡山駅から快速で1時間少々。
会津若松駅からタクシーで20分あれば向瀧に着く。
郡山駅では「柏屋」の薄皮饅頭をお土産として買いたい。

「平田真智子」、「平田裕一」で、Facebookを楽しんでいる。
若女将は会津若松の食べ物屋を紹介しているようだ。
若女将、ご主人は各部屋にはこない。スタッフ・社員を信頼し全面にでない。

2月末までは、雪見ろうそくがあったが
ご主人もスコップを持っていたようだ。
若女将は?
スタッフと社員に化け、お客様の生の声を聞いているかは定かではない。

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