好調を続ける企業の経営者はいま、何を考えているのか?(鈴木博毅著 秀和システム)【読書メモ】

2017年5月8日現在、日本国内の上場企業数は、3,557社。うち一部上場企業は2,017社です。(出所:日本取引所グループ)この一部上場企業の中から、過去5年着実な成長を続け、かつ、安定した財務状況にある会社は、2.5%の50社ほどに絞られます。本書は、その50社の中から、8社の社長へのインタビューが紹介されています。

インタビューの内容は以下の5項目を軸に進められました。
①過去のターニングポイント
②現在の成長の原動力
③現在のビジネス環境と今後への視点
④躍進を続ける企業と閉塞する企業の違いとは
⑤後進のみなさんへのメッセージ

成長続ける8社の共通項
①自社に都合の悪いトレンドも逆に利用しようと挑戦する
社長談:「会社を経営していると、思わぬ苦境に立たされることがあります。これをピンチと捉えて負けてしまうと、会社は消失してしまう」「別の角度から見るとチャンスになるのでは」

②顧客及び社内との並外れたコミュニケーションの努力、能力
社内コミュニケーション例:会社方針浸透の年次総会・飲み会・新規事業アイディアコンテスト・社長が、週1回に社員と合宿・バースデーレターなど

③既存事業の売上増と、新規事業の育成を並行させる
社長談:「現在一番れている製品の、売上占有率を下げていく(他分野の製品売上を伸ばす)」
「陳腐化した言い方ですが、『変化し続けること』につきます。やりながら感じていることですが、『伸びている』と言いながら、実は同じビジネスではありません」

④時代の新しいトレンドに独自のやり方で乗る
社長談:「モグラたたきと一緒なんです。皆でワッとたたきに行っても、もうそこにモグラはいないんです。本当は次の場所を探さなきゃいけないのに、また皆がワッとたたきに行くと、同じところについて行くんです。こんなことをしても、永遠に徒労感で終わります」

⑤陳腐化しにくい大きなビジョンを持ちながら、刷新を躊躇しない
社長談:「成長の原動力は、まず会社として明確なビジョンと戦略を持っていること。そして、社員が強力な使命感とエネルギーをもっていることです」
事例:全社員が各階層で、10か月間をかけ、綿密な中期経営計画を立てる

⑥人材から最高の能力と意欲を引き出す仕組みを作る
社長談:「人は誰かの役に立っていると感じると、非常にモチベーションが上がります。誰もやったことがない業界改革をするとか、誰もまだ実現していない先進的な技術を使ってイノベーションを起こすとか。そのためには、『こういう戦略で行こうぜ』と言うビジョンを示し続けるリーダーが必要なんです。それは必ずしも社長ということではなく、部長職にも、課長職にも、それぞれの階層で必要だと思います」
「人は組織の集合体です。職場の雰囲気は会社の業績に直結しますから、非常に重視しています。職場でも、仲間と言うのは職場環境の居心地の良さ、つまりは幸せ度にもつながります。チームワークは業績に大きく影響し、チームワークの強い企業は、競争力も強いのです。同期、そして先輩と後輩、上司と部下といった人間関係の良さ、信頼関係を企業文化として根付かせることによって、一時的な成長ではない、企業の強さを作ろうとしてきました」

⑦好調のうちに次のハードルを設定し、立ち向かう

⑧競合他社と異なる視点で引く事業の境界線
一般企業の考える既存事業とは「自分たちの仕事の領域」
5社の事業領域の考え方「自社の強みが成功を生む場所」

以上。今日も皆さまにとって、素晴らしい一日になりますように。

春木清隆

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です