浜松にもこんな長寿企業がある

潮干狩りのシーズンである。
浜松には浜名湖という潮干狩りを楽しめる名所がある。いうまでもなく潮干狩りは、アサリ採りを楽しむものです。アサリの名は「漁(あさ)る」に由来するそうです。浜名湖でも今の時期には、掘ればザキザクとバケツからあふれるほど採れたものです。

ところが潮干狩りの名所が相次いで休止に追い込まれているという。子どもの頃慣れ親しんだ浜名湖も例外ではない。摂りすぎてしまったのか。生息環境を悪化させてしまったのか。もはや潮干狩りは子どもの頃の思い出か・・・。

アサリは一粒で一時間に一リットルもの海水を吸い込み、海水をろ過しているといわれている。いわば天然のろ過装置であり浄化槽であるのに・・・。子どもたちの歓声や観光客の声が消えてしまった潮干狩りの名所。浜名湖の賑いを期待するものとしては寂しいかぎりである。

 さて、世界で創業200年を超える企業は5568社(合計14カ国)といわれている。このうち3146社が日本に集中しており、続いてドイツ837社、オランダ222社、フランス196社の順となる。おとなりの韓国には創業200年を超える企業はなく、創業100年以上の企業も斗山と東洋薬品工業の2社だけである。(韓国銀行調べ)
日本は長寿大国でもありながら企業も長生きなのだ。

昔から「企業の栄枯盛衰30年」といわれてきたが、近年では企業の平均寿命は22.4年(東京商工リサーチ調べ)とされるなか、日本には200年以上も長生きする長寿企業がなんと3000社以上もあることに驚愕する。

なぜ日本にはこんなにも長寿企業が多いのだろうか。企業が長く生き続けるということは、その企業の担い手である社員満足度が高く、顧客との固い信頼関係が長きにわたって続いているからではなかろうか。
これこそ法政大学大学院政策創造研究科・坂本光司教授の教えである。

 創業200年には及ばないが、浜松にも「明治屋醤油株式会社」という明治8年創業の会社がある。今年で142年を迎える長寿企業で、浜松では知る人ぞ知る醤油、ソース、味噌の製造販売をしている会社である。商品名は醤油が「やままん」、ソースが「高嶺ソース」だ。

                          
 建物は国の登録有形文化財

商品名の「やままん」は「八(やま)」と初代萬吉の「萬(まん)」が由来であるとか・・・。「八」は山のように高いことを意味し、「商売によって家が発展し、その頂点を極めたい」というところから名づけられたと聞く。

                             

商品名の「やままん(醤油)」と高嶺(ソース)は、頂点を極めたいという創業者の想いが込められて名づけられたそうだ。
現在は5代目にあたる野末一宏氏が社長であるが、長男、次男とともに自社農園で栽培した大豆や小麦を使い、自家製原料から仕込む新たな醤油づくりに取り組んでいるそうである。伝統を大切にしながら新たな製品開発に取り組む姿勢にこそ長寿企業になり得る原点があるのかもしれない・・・。
   
  

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