9月9日(土)、10日(日)に東京の法政大学で開催される第4回「人を大切にする経営学会」の全国大会

9月9日(土)、10日(日)に東京の法政大学で開催される第4回「人を大切にする経営学会」の全国大会。
前日(8日(金)は、今年、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」を受賞した神奈川県川崎市の「柿の実幼稚園」さんと千葉県松戸市の「スズキ機工」さんの視察だ。

学会の入会申し込みと全国大会の参加申し込みは下記です。
https://www.htk-gakkai.org/活動案内/総会-全国大会/第4回全国大会/

3月に開催される「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」授賞式は「人を大切にする経営」学会員以外の方も参加できますが、全国大会は学会員のみです。

全国大会には参加しないが学会に入会したい場合は下記でお願いしたい。
日々、学会に増え喜びと共に感謝したい。

https://www.htk-gakkai.org/決済/入会フォーム/

メインは9日(土)だ。

タイバーシティの元祖の日本レーザーの近藤社長の紹介は様々あるが、下記を紹介する。
大阪・九条の「坂元鋼材株式会社」3代目社長の坂元正三が、仕事の周辺で起こったこと、考えたことを書き綴ります。

日本レーザーの近藤社長の勉強会に参加して
2014-07-31 14:36:10
テーマ:ブログ
■トラブル(理不尽・不条理)は自分を磨く砥石!
 7/22。日帰り上京で「アチーブメント・クオリティカンパニー倶楽部」の勉強会へ。
講師は近藤宣之氏(株式会社日本レーザー社長)。「大逆転経営」=債務超過から苦難を乗り越えⅤ字回復=20年間連続黒字をつくる社員の主体性を引き出す仕組み=と題したもの。
留守を社員に任せ、滞在5時間のぜいたく往復でしたが、収穫がありあまるほどの上京でした。

 大手企業の社員として子会社の「日本レーザー」に天下りで社長に就いた近藤氏。
ところが当時(バブル崩壊直後)、会社は2億円近い債務超過状態でした。再建を託されたものの、苦難とトラブルの連続でした。
しかし近藤氏のリーダーシップのもと翌年から黒字転換し、以来21年連続の黒字。
いまは実質無借金。2011年「日本で一番大切にしたい会社」中小企業庁長官賞(第1回)を受賞されるほど、社員が幸せな会社として注目の企業です。その秘密は何か。

 今日は充実の2時間の講演。そのなかで「社員のモチベーションを高めて業績を上げる数々の仕組み」を伝授していただきました。
その極意は「社員の成長が処遇と昇給に直結する評価制度の構築」そして「社風(コミュニケーション)の大切さ」と理解しました。
とにかく社員のモチベーションを上げることに全力を挙げられます。

 その究極は、大企業の子会社だった同社が、大きな決断の末に親会社のもとを離れて独立したことです。
「子会社のままでは結局は社員を大切にできない」ことに気づかれます。常に親会社の顔色をうかがうことになる。
言いなり、であり植民地。親会社から絶対的に天下ってくる社長・役員の存在は、子会社の社員の心の中に決定的な壁を作ってしまう。
モチベーションを上げようにも上げるべくもない。とはいえ近藤氏自身も親会社から降りてきた社長。
あるとき、子会社である自社の社員が近藤氏のことを「そのような存在」(いずれは親会社に戻り、ステップアップのために降りてきた社長)と見ていることを知ります。

そのとき同氏は、このまま(この意識のまま)では会社を立て直すことは出来ない、と悟られます。
そして親会社の出資の大部分を返し、そして社員持ち株制度を作り、ご自身はサラリーマンでありながら個人で債務保証までされました。
まさに背水の陣。このご姿勢に社員が奮い立ったものと思われます。
その結果が、21期連続の黒字、無借金、日本で一番大切にしたい会社なのです。まさに近藤社長の信念が形になったのだと思いました。

【きょう響いた言葉の数々】
・ 企業は何のために存在するのか。社員を雇用すること。社会のお役にたつこと。だから利益は目的ではなく「存続への条件」。
・ 強くなければ存続できない、人を大切にしなければ存在する価値がない。
・ 先ずES(従業員満足)があり、そしてCS(顧客満足)。社員の犠牲の上に立った顧客満足はだめ。それが恒常化すればブラック企業になる。存続できない。
・ 目に見えない社風と理念。そして、目に見える人事と制度。(無は有の原点)
・ 本人の成長をドライブする賃金制度。それには納得性、透明性が大事。

・ 対人関係対応能力は極めて重要。挨拶(あ・い・さ・つ)。あかるく、いつも、さきに、つづけて一言(相手を慮って話を聞くこと)。お互いに関心を持つことの大切さ。これが組織の風通しの良さにつながる。一緒にいて楽しいこと。それは性格ではなく「能力」。
・ コミュニケーションの大切さ。私語の勧め。さりげない会話が組織を活性化させる。だから社内の「まじめな私語」を勧める。
・ 3大銀行を招待しての事業計画発表会。いまは実質無借金だが、いざという時のために信頼関係を醸成しておく。夢と希望を社長が銀行に直接語り続ける。アピールする。
・ 社員へのおもてなしを徹底。会社負担でパーティ、社員旅行、忘年会。掃除のおばさんも招く。辞めた社員も参加したくて2次会に来るほど。(どれほど良い社風か、このエピソードだけで良くわかる。)
・ 若者には「3年間は辞めるな」とメッセージする。不条理なことがあっても辞めるな。「トラブルは自分を磨く砥石だ」

・ 社長の理想を体現してくれる「ロールモデル社員」は依怙贔屓するし、引き立てる。存在そのものに価値がある。
・ 社員の究極の成長とは何か?「目に見えないものの成長」であり、これを心掛けると運が良くなる。生涯感謝をしつつ生きる。生涯自分を磨き続ける。生涯人のお役にたつ。
・ 理不尽なことはあなたを磨く砥石。経営者はいつもさまざまな理不尽なことの矢面に立たざるを得ない存在。だから一番磨かれる。
・ 「気づき」(トラブル)が来たら先ず感謝。あらゆる出来事が成長への糧。
・ 不安に思えば運は良くならない。

 近藤氏は親会社に勤務していた20代後半の若いころ、労働組合の委員長を務める経験を持っておられます。
だからこそ働く者の立場、視点、モノの考え方を熟知されています。
だから社員がどのようなことにモチベーションを上げ、そして下げるのかを皮膚感覚で理解されておられるのだと思います。
社員としてのものの考え方、そして経営者としての大局的な見方。この「偉大なる融合」が日本レーザーという会社に結実していると思いました。

 「丁度いいところの意思決定が大事」と近藤社長。
あまりにもの家族主義、行き過ぎたドライ、その両極を排するその意思決定は「偉大なる中庸」とも言えます。
そして人間社会の原理原則に従った極めて合理的な経営。だからこその好業績、だからこその社員の幸せな会社。
「こんな社長になりたい!」(こんな経営をしてみたい!こんな会社にしたい!こんな風に人生を生きたい!)
 心底からそう思いました。

 アチーブメントの青木社長は「経営者の哲学が仕組みとなって完成している」と評されました。
本当にうなづかされました。締めくくりに青木社長が紹介された松下幸之助氏の言葉が、きょうの講演会を象徴していました。「経営は総合芸術」。
 本当に素晴らしい学びを頂いた一日でした。また一つ、目指すべき方向性を授けられました。感謝。

全日程プログラム
日付 時間 内容 場所
8日(金) 13:15~15:15 第4回全国大会 企業見学会 各企業
9日(土)
12:00~13:00 受付 富士見ゲートG403教室
13:00~13:20 人を大切にする経営学会 年次総会
13:20~13:40
開会式
会長挨拶 坂本光司(法政大学大学院教授)
開催校の代表挨拶 田中優子(法政大学総長)
大会実行委員長挨拶 赤岩茂(法政大学大学院客員教授)

13:45~14:45
基調講演1

15:00~16:00
基調講演2

16:00~17:00
ダイバーシティ経営 実践企業事例発表

17:05~17:45
講演及び事例発表者によるパネルディスカッション
18:00~19:30 懇親会 アルカディア市ヶ谷

10日(日) 9:30~11:50 分科会研究発表(40分×3組)
新一口坂校舎
各教室
12:00~13:00 総括
新一口坂校舎
301教室
13:00~
第5回会場校開催挨拶
閉会式

9日(土) ダイバーシティ経営 基調講演1
●日時:9日(土)13:45~14:45
●講師:株式会社クラロン 取締役会長 田中 須美子氏
●講演テーマ:障がい者と共に60年・・
1925年3月2日生まれ。九里学園女子高(現米沢女子高)卒業
1947年に結婚、夫(善六)と共に1956年㈱クラロン設立
1964年東京オリンピックを機に、スポーツ時代の到来を見据え、
肌着の製造から体育着製造に転換。
2002年夫の没後を継いで㈱クラロン代表取締役社長
2014年㈱クラロン 取締役会長。

株式会社クラロン
第5回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 厚生労働大臣賞 受賞企業
㈱クラロンは、「みんなが望む健康、みんなに優しいスポーツウェア」を経営理念に掲げ、東北、北関東エリアの学校1,100校へ運動着を納品している。
大手メーカーには難しい多品種、少ロットの営業戦略と地域密着型の営業が奏功し好業績を保ってきたが、近年は少子化の影響で厳しさが増してきている。
又、特徴としては、創業以来、障がい者の雇用を通じた自立支援を積極的に行っており、現在の障がい者雇用率は県内トップの35.1%の水準となっている。

9日(土) ダイバーシティ経営 基調講演2
●日時:9日(土)15:00~16:00
●講師:コーケン工業株式会社 代表取締役会長 村松久範氏
●講演テーマ:「人」ありき。
”ぶれず”にやり抜き30年。家族のような300人の仲間。 
~コーケンは凄い。何が?!社員が凄い。 そんな会社をつくりたい。~

コーケン工業株式会社(所在地 静岡県磐田市)
第7回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 中小企業庁長官賞 受賞企業
1971年(昭和46年)創業。
創業当時はディーゼルエンジンの燃料噴射管の製造を中心としていたが、その後、パイプを使用した配管部品(農業機械・建設機械・自動車等々)の分野にも進出し、多品種少量というお客様のニーズに応えることで事業を拡大した。
当時の人材不足を補うために、高齢者の雇用を始めた。現在では、60歳以上の社員が90人近く在籍し、最高齢社員は89歳(製品の梱包業務担当・正社員男性)。
また、1997年に特別支援学校からのしょうがい者雇用を始め、今年で20年目となる。一方では、1994年から大学生の新卒採用を開始し、現在では4世代同居の会社となっている。従業員総数は約300名。
一貫生産体制による、超短納期対応・極少量生産に特化したパイプ部品専門メーカーを目指し、高齢者・しょうがい者・若者が家族のように自然に関わり合う「チームコーケン」のメンバーで、日々の生産に取り組んでいる。

9日(土) ダイバーシティ経営 実践企業事例発表
●日時:9日(土)16:00~17:00
●講師:株式会社日本レーザー 代表取締役 近藤 宣之氏
●講演テーマ:ありえないレベルで人を大切にしたら23年連続黒字になった仕組み
1944年生まれ。1968年慶應義塾大学工学部卒業後、日本電子株式会社入社。労働組合執行委員長、経営管理課長、総合企画室次長、米国法人副支配人、取締役米国法人支配人、取締役国内営業担当を担当する間に、日本電子グループ内で、数多くの企業再建・合理化を経験。
1994年より経営破綻した子会社株式会社日本レーザーの社長として再建に取り組み2年で復配、2007年にはMEBOにより日本電子から独立し、現在に至る。主な著書に「変化する企業社会とキャリア形成」(富士社会教育センター2006)「ビジネスマンの君に伝えたい40のこと」(あさ出版2012)、「ありえないレベルで人を大切にしたら23年連続黒字になった仕組み」(ダイヤモンド社2017)。

株式会社日本レーザー
第1回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 中小企業庁長官賞 受賞企業
1968年(昭和43年)にレーザー輸入専門商社として設立。
その後1971年に日本電子の100%子会社となり、親会社のレーザー開発を支援。
その後1983年に同業他社と合併、1993年に債務超過で経営破綻。
1994年から近藤社長が再建に取り組み、24年(見込み)連続黒字経営、MEBOで親会社から独立して10年、新卒社員も派遣社員、パートからフルタイムになった社員も全員が株主という日本で唯一と言われる会社を実現。
2011年第1回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」中小企業庁長官賞受賞以来、「勇気ある経営大賞」(2012)、「ホワイト企業大賞」(2017)等各種経営表彰を受賞。

9日(土) ダイバーシティ経営 パネルディスカッション 17:05~17:45
コーディネーター
西浦 道明氏(人を大切にする経営学会 副会長)
パネリスト
田中 須美子氏(株式会社クラロン 取締役会長)
村松 久範氏(コーケン工業株式会社 代表取締役会長)
近藤 宣之氏(株式会社日本レーザー 代表取締役社長)

10日(日)分科会研究発表(4教室) 9:30~11:50 新一口坂校舎 ※4教室同時開催
テーマ
第1分科会「学生セッション」
303教室

第2分科会「健康経営~障がい者雇用」
101教室

内容
【発表1】9:30~10:10
金森敏(東京家政学院大学)
女子学生の視点から見た「良い会社」研究

【発表2】10:20~11:00
西原真治(松山大学大学院)
良い病院診断システムの開発と県立今治病院の良い病院づくりへの取り組み

【発表3】11:10~11:50
藤堂夏奈子(松山大学)
学生によるゼミ研究としての良い会社診断システムの開発と3社の分析事例による学び

【発表1】9:30~10:10
那波和夫(株式会社障がい者つくし更生会/第5回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞審査委員会特別賞受賞企業)
障がい者がイキイキして働く理由-企業経営の実践を通して

【発表2】10:20~11:00
岩崎龍太郎(法政大学大学院)
中小警備会社の障がい者雇用の促進とその効果等の関連

【発表3】11:10~11:50
錦戸典子(東海大学大学院)
経営者の「健康経営」に関する認識と社員の健康度・経営状況との関連

テーマ
第3分科会「ダイバーシティ」
301教室

第4分科会「いい会社研究」
302教室

内容
【発表1】9:30~10:10
谷渕陽子(株式会社パワーネット/第5回「四国でいちばん大切にしたい会社大賞」奨励賞受賞企業)
多様性を「力」に変えるチーム作り
-ひとり輝く・・・みんな輝く!

【発表2】10:20~11:00
佐野智紀(静パック有限会社)
疎結合型IoT工場における労働環境改善とダイバーシティ経営に関する研究
~中小企業へのIoT技術導入を事例に~

【発表3】11:10~11:50
大橋典子(多文化間キャリアコンサルタント)
「外国人も大切にする多文化共生に向けた取組み」 ~外国人労働者実態調査と事例~

【発表1】9:30~10:10
福田龍星(高知工科大学)
人を大切にする企業における経営者の思いや言葉のテキストマイニング解析

【第2報】
【発表2】10:20~11:00
安達明久(環太平洋大学)
富士・富士宮地域における中小企業の経営姿勢調査-人を大切にする経営と企業業績

【発表3】11:10~11:50
山本航(金沢星稜大学女子短期大学部)
スタッフのやりがいと幸福感が生む自然な笑顔と究極のホスピタリティ経営

10日(日)総括 12:00~13:00
会場     :新一口坂校舎301教室
テーマ    :人を大切にするダイバーシティ経営

企業見学会
日時:8日(金)13:15~15:15
見学先     :学校法人柿の実学園 柿の実幼稚園
         第7回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 厚生労働大臣賞賞 受賞法人
         園長 小島澄人氏
         川崎市麻生区上麻生7-41-1
時間      :13:15~15:15
定員      :40名
参加費     :3,000円
集合      :13:00 幼稚園前 川崎市麻生区上麻生7-41-1

見学先     :スズキ機工株式会社
         第7回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 審査委員会特別賞 受賞企業
         代表取締役 鈴木豊氏
         千葉県松戸市松飛台316-3
時間      :13:15~15:15
定員      :20名
参加費     :3,000円
集合      :13:00 本社前 千葉県松戸市松飛台316-3

「人を大切にする経営学会」役員の方に可能な限りタグ付けさせていただく。

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