【人を大切にしない経営】

2014年9月23日に「人を大切にする経営学会設立総会」時に
『異色の学会が生まれた。 「人を大切にする経営学会」。なんと素朴な呼び名か。悪くいえば気が利いていない。カタカナを使うと今風だろうが、あえてそうしなかったに違いない。
で始まり、社員や取引先など人の幸せを重視する経営が、好業績と永続性をもたらすとの考えを、科学的に実証する狙いで学会はできた。・・・ 新しい時代が動き出す予感がする。』と毎日新聞の水説で紹介していただいた「中村 秀明」名物論説委員が、8月2日の水説で、【人を大切にしない経営】と題して

労働時間や残業という考え方がない雇用形態「高度プロフェッショナル制度」の導入を先取りするような話が社会面に載った。
大阪府と奈良県で進学塾65校を運営する会社が、講師や受付ら大半のスタッフを「取締役」にしていたという。登記簿上では取締役が約400人もいた。

労働基準法などが適用されない役員に祭り上げ、定額の報酬だけで残業代や休日手当を浮かせるためだ。
役員報酬は月二十数万円程度らしい。「役員は名ばかり」と未払い残業代を請求する人が相次ぎ、一部は訴訟中だ。

もっと巧妙なやり方もあると、労働問題にかかわる知人に聞いた。
全国に展開し7000人以上が働く葬儀会社には、正社員が30人程度しかいない。
残りは会社と業務委託契約した者か、業務委託した支店の経営者に雇われた者だ。
こうして末端で働く者に対する雇用責任から逃れている。

そんな露骨なことはできない企業が大半だ。だから、高度プロフェッショナル制度なのだろうか。
専門性があり、そこそこ高給の一部社員を高度プロフェッショナルとして処遇する。
時間がたてば対象者を広げ、プロ社員には「もっと柔軟に働けるよ」と個人事業主として独立を勧めるのではないか。
働く人を雇用責任のはしっこ、できれば枠外に置きたい狙いがちらつく。

企業にもそれなりの事情はある。
生産部門は機械の導入で、販売・営業部門はITなどによって効率を上げた。だが、人事・総務・経理といった社員の日々を支える部署は、業務の性格から効率化が難しい。

給与計算や資材の購入、採用といった業務を外部に委託するなどの取り組みを進めるが、やるべきことは増える一方だ。特に人事は大変だ。
育児、介護、裁判員など多種多様な休暇制度が登場した。
メタボ健診や心の健康に気を配り、長時間労働など法令順守にも神経をつかう。

人事考課はきめ細かくなり、研修など人材教育はますます重要になってきた。人事担当は懸命に対応している。
しかし、「会社として面倒を見なければならない人、責任を負わなければいけない人を減らせば負担は軽くなる」と目先にとらわれる経営者もいるのだろう。

人を大切にする経営学会会長の坂本光司・法政大大学院教授が口にした言葉を思い出す。
「正しい経営をしていれば、企業は滅びない」。きれいごとですか。(論説委員)

おかげさまで、設立時に1003名でスタートした学会員が1820名になっている。

9月9日(土)、10日(日)に東京の法政大学で開催される第4回「人を大切にする経営学会」の全国大会。
28日(月)が締め切りだが206名の方に申し込みをいただいている。一昨年、昨年は共に定員の300名を超した。
前日8日の企業見学会の「スズキ機工」さんはキャンセル待ちになっている。
法政大学が会場だが、今年にオープンした「富士見ゲート(教室形式)」が9日の会場で、10日の会場は近くの「新一口坂校舎」になる。
設立総会や「日本でいちばん大切にしたい会社大賞授賞式」が開催される「さつたホール」ではないのでお早めにお申し込みをお願いしたい。

学会の入会申し込みと全国大会の参加申し込みは下記です。
https://www.htk-gakkai.org/活動案内/総会-全国大会/第4回全国大会/

3月に開催される「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」授賞式は「人を大切にする経営」学会員以外の方も参加できますが、全国大会は学会員のみです。

全国大会には参加しないが学会に入会したい場合は下記でお願いしたい。
日々、学会に増え喜びと共に感謝したい。

https://www.htk-gakkai.org/決済/入会フォーム/

以下は、繰り返しご案内している。
全日程プログラム
日付 時間 内容 場所
8日(金) 13:15~15:15 第4回全国大会 企業見学会 各企業
9日(土)
12:00~13:00 受付 富士見ゲートG403教室
13:00~13:20 人を大切にする経営学会 年次総会
13:20~13:40
開会式
会長挨拶 坂本光司(法政大学大学院教授)
開催校の代表挨拶 田中優子(法政大学総長)
大会実行委員長挨拶 赤岩茂(法政大学大学院客員教授)

13:45~14:45
基調講演1

15:00~16:00
基調講演2

16:00~17:00
ダイバーシティ経営 実践企業事例発表

17:05~17:45
講演及び事例発表者によるパネルディスカッション
18:00~19:30 懇親会 アルカディア市ヶ谷

10日(日) 9:30~11:50 分科会研究発表(40分×3組)
新一口坂校舎
各教室
12:00~13:00 総括
新一口坂校舎
301教室
13:00~
第5回会場校開催挨拶
閉会式

9日(土) ダイバーシティ経営 基調講演1
●日時:9日(土)13:45~14:45
●講師:株式会社クラロン 取締役会長 田中 須美子氏
●講演テーマ:障がい者と共に60年・・
1925年3月2日生まれ。九里学園女子高(現米沢女子高)卒業
1947年に結婚、夫(善六)と共に1956年㈱クラロン設立
1964年東京オリンピックを機に、スポーツ時代の到来を見据え、
肌着の製造から体育着製造に転換。
2002年夫の没後を継いで㈱クラロン代表取締役社長
2014年㈱クラロン 取締役会長。

株式会社クラロン
第5回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 厚生労働大臣賞 受賞企業
㈱クラロンは、「みんなが望む健康、みんなに優しいスポーツウェア」を経営理念に掲げ、東北、北関東エリアの学校1,100校へ運動着を納品している。
大手メーカーには難しい多品種、少ロットの営業戦略と地域密着型の営業が奏功し好業績を保ってきたが、近年は少子化の影響で厳しさが増してきている。
又、特徴としては、創業以来、障がい者の雇用を通じた自立支援を積極的に行っており、現在の障がい者雇用率は県内トップの35.1%の水準となっている。

9日(土) ダイバーシティ経営 基調講演2
●日時:9日(土)15:00~16:00
●講師:コーケン工業株式会社 代表取締役会長 村松久範氏
●講演テーマ:「人」ありき。
”ぶれず”にやり抜き30年。家族のような300人の仲間。 
~コーケンは凄い。何が?!社員が凄い。 そんな会社をつくりたい。~

コーケン工業株式会社(所在地 静岡県磐田市)
第7回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 中小企業庁長官賞 受賞企業
1971年(昭和46年)創業。
創業当時はディーゼルエンジンの燃料噴射管の製造を中心としていたが、その後、パイプを使用した配管部品(農業機械・建設機械・自動車等々)の分野にも進出し、多品種少量というお客様のニーズに応えることで事業を拡大した。
当時の人材不足を補うために、高齢者の雇用を始めた。現在では、60歳以上の社員が90人近く在籍し、最高齢社員は89歳(製品の梱包業務担当・正社員男性)。
また、1997年に特別支援学校からのしょうがい者雇用を始め、今年で20年目となる。一方では、1994年から大学生の新卒採用を開始し、現在では4世代同居の会社となっている。従業員総数は約300名。
一貫生産体制による、超短納期対応・極少量生産に特化したパイプ部品専門メーカーを目指し、高齢者・しょうがい者・若者が家族のように自然に関わり合う「チームコーケン」のメンバーで、日々の生産に取り組んでいる。

9日(土) ダイバーシティ経営 実践企業事例発表
●日時:9日(土)16:00~17:00
●講師:株式会社日本レーザー 代表取締役 近藤 宣之氏
●講演テーマ:ありえないレベルで人を大切にしたら23年連続黒字になった仕組み
1944年生まれ。1968年慶應義塾大学工学部卒業後、日本電子株式会社入社。労働組合執行委員長、経営管理課長、総合企画室次長、米国法人副支配人、取締役米国法人支配人、取締役国内営業担当を担当する間に、日本電子グループ内で、数多くの企業再建・合理化を経験。
1994年より経営破綻した子会社株式会社日本レーザーの社長として再建に取り組み2年で復配、2007年にはMEBOにより日本電子から独立し、現在に至る。主な著書に「変化する企業社会とキャリア形成」(富士社会教育センター2006)「ビジネスマンの君に伝えたい40のこと」(あさ出版2012)、「ありえないレベルで人を大切にしたら23年連続黒字になった仕組み」(ダイヤモンド社2017)。

株式会社日本レーザー
第1回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 中小企業庁長官賞 受賞企業
1968年(昭和43年)にレーザー輸入専門商社として設立。
その後1971年に日本電子の100%子会社となり、親会社のレーザー開発を支援。
その後1983年に同業他社と合併、1993年に債務超過で経営破綻。
1994年から近藤社長が再建に取り組み、24年(見込み)連続黒字経営、MEBOで親会社から独立して10年、新卒社員も派遣社員、パートからフルタイムになった社員も全員が株主という日本で唯一と言われる会社を実現。
2011年第1回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」中小企業庁長官賞受賞以来、「勇気ある経営大賞」(2012)、「ホワイト企業大賞」(2017)等各種経営表彰を受賞。

9日(土) ダイバーシティ経営 パネルディスカッション 17:05~17:45
コーディネーター
西浦 道明氏(人を大切にする経営学会 副会長)
パネリスト
田中 須美子氏(株式会社クラロン 取締役会長)
村松 久範氏(コーケン工業株式会社 代表取締役会長)
近藤 宣之氏(株式会社日本レーザー 代表取締役社長)

10日(日)分科会研究発表(4教室) 9:30~11:50 新一口坂校舎 ※4教室同時開催
テーマ
第1分科会「学生セッション」
303教室

第2分科会「健康経営~障がい者雇用」
101教室

内容
【発表1】9:30~10:10
金森敏(東京家政学院大学)
女子学生の視点から見た「良い会社」研究

【発表2】10:20~11:00
西原真治(松山大学大学院)
良い病院診断システムの開発と県立今治病院の良い病院づくりへの取り組み

【発表3】11:10~11:50
藤堂夏奈子(松山大学)
学生によるゼミ研究としての良い会社診断システムの開発と3社の分析事例による学び

【発表1】9:30~10:10
那波和夫(株式会社障がい者つくし更生会/第5回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞審査委員会特別賞受賞企業)
障がい者がイキイキして働く理由-企業経営の実践を通して

【発表2】10:20~11:00
岩崎龍太郎(法政大学大学院)
中小警備会社の障がい者雇用の促進とその効果等の関連

【発表3】11:10~11:50
錦戸典子(東海大学大学院)
経営者の「健康経営」に関する認識と社員の健康度・経営状況との関連

テーマ
第3分科会「ダイバーシティ」
301教室

第4分科会「いい会社研究」
302教室

内容
【発表1】9:30~10:10
谷渕陽子(株式会社パワーネット/第5回「四国でいちばん大切にしたい会社大賞」奨励賞受賞企業)
多様性を「力」に変えるチーム作り
-ひとり輝く・・・みんな輝く!

【発表2】10:20~11:00
佐野智紀(静パック有限会社)
疎結合型IoT工場における労働環境改善とダイバーシティ経営に関する研究
~中小企業へのIoT技術導入を事例に~

【発表3】11:10~11:50
大橋典子(多文化間キャリアコンサルタント)
清水洋美(株式会社埼玉クリーンサービス)
「外国人も大切にする多文化共生に向けた取組み」 ~外国人労働者実態調査と事例~

【発表1】9:30~10:10
福田龍星(高知工科大学)
人を大切にする企業における経営者の思いや言葉のテキストマイニング解析

【第2報】
【発表2】10:20~11:00
安達明久(環太平洋大学)
富士・富士宮地域における中小企業の経営姿勢調査-人を大切にする経営と企業業績

【発表3】11:10~11:50
山本航(金沢星稜大学女子短期大学部)
スタッフのやりがいと幸福感が生む自然な笑顔と究極のホスピタリティ経営

10日(日)総括 12:00~13:00
会場     :新一口坂校舎301教室
テーマ    :人を大切にするダイバーシティ経営

企業見学会
日時:8日(金)13:15~15:15
見学先     :学校法人柿の実学園 柿の実幼稚園
         第7回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 厚生労働大臣賞賞 受賞法人
         園長 小島澄人氏
         川崎市麻生区上麻生7-41-1
時間      :13:15~15:15
定員      :40名
参加費     :3,000円
集合      :13:00 幼稚園前 川崎市麻生区上麻生7-41-1

見学先     :スズキ機工株式会社
         第7回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 審査委員会特別賞 受賞企業
         代表取締役 鈴木豊氏
         千葉県松戸市松飛台316-3
時間      :13:15~15:15
定員      :20名
参加費     :3,000円
集合      :13:00 本社前 千葉県松戸市松飛台316-3

中村論説委員の写真は昨年の福島の講演会の写真だ。9日のクラロンの田中須美子会長と対談も行っている。

「人を大切にする経営学会」役員の方に可能な限りタグ付けさせていただく。

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