さいち

「商業界」の笹井編集長のブログより、

大きなおはぎ。メチャクチャうめえ!
佐藤夫妻、NHKのプロフェッショナルにも登場した。

一つのおはぎに教えられたこと
2017年10月03日(火) 23時42分23秒
テーマ:良い店、好い人
1個108円のおはぎが平日には7000個、土日祝日には1万個、お彼岸の中日にもなると2万5000個以上を売り上げる店があります。
さぞかし店前通行者の多い繁華街にある店の話かと思うかもしれません。

おはぎ
開店時刻1時間にはおはぎを求めるお客が集まりはじめ、レジ準備が整い店のドアが開かれると、並べられたばかりのおはぎが見る見るうちに売れていきます。
仙台市街から自動車で30分ほどの郊外、秋保温泉という人口4700人という小さなまちの80坪の小さなスーパー「主婦の店さいち」での日常風景です。

利益の前になすべきこと
「地元にもおはぎの名店があるが、ここのおはぎは格段にうまい」
おはぎでいっぱいになった買物かごを手に語るのは、岡山から訪れる男性常連客です。
気がつくと駐車場は、地元はもちろんのこと県外ナンバーの自動車であふれ、担当者が駐車場整理に走り回っていました。

惣菜を売り物にするスーパーは珍しくなくなりつつありますが、さいちは飛び抜けた存在です。
おはぎばかりではなく、五目煮など惣菜は売上構成比の半分を占める最強の商品群です。

経営方針
その味の秘密を習おうと、多くの同業が視察・研修を求めてくるのですが、さいち社長の佐藤啓二さん可能な限り受け入れているといいます。
その数これまでに600社以上。
イオンやヤオコーなど、さいちより企業規模の大きい錚々たる企業が視察や研修に訪れているそうです。

「一貫してこだわっているのは、とにかく良いものを作ること。
拡売、利益は後から必ずついてきます。
ここで言う良いものとは、例えば、身近な人に喜ばれるもの。
あるいは『おいしい』『食べると幸せな気分になれる』というのも良いものです」と佐藤さんは言います。
およそ60%という驚異的な高さの原価率がその言葉を裏付けています。

作る人の心を作る
「おいしいものを作るのは難しいと、みなさん、おっしゃいますが、本当はとても簡単なことなんですよ。
惣菜の“惣”の字には心が入っているでしょう。大切なのは、お惣菜を作る人の心や姿勢を作ることなんです」

そう語るのは、惣菜づくりの陣頭指揮を執る妻の澄子専務。深夜1時には調理場に入り、仕込みの準備に取り掛かります。
その所作の一つ一つに、食べる人、ともに働く人従業員の幸せを何よりも願う母の愛が感じられました。

惣菜
どの家庭の味よりも、さらにおいしいこと。毎日食べても、飽きがこないこと。
時間が経っても、そのおいしさが失われないこと――さいちが掲げる惣菜づくりのモットーであり、すべてです。
それを究める道に「終わりはない」と佐藤さんは言います。

真心を込め、価値ある商品を提供することは商いの要諦。
そこでは、規模の大小、資本の多寡は関係ありません。いかに自店・自社ならではの独自商品をつくるか。
そのために大切にすべき理念と覚悟が、手づくりのおはぎに込められていました。

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