残業時間と幸福度と健康

ゴールデンウィークも仕事をしているが、全くストレスがありません。
このことは、私だけでなく、一人握りだと思うが、同様に感じる人もいるとも思います。

パーソル総合研究所は2018年2月8日、東京大学 中原淳准教授との共同研究「希望の残業学プロジェクト」による残業実態調査の結果を公表し、月60時間以上残業する人は、残業しない人に比べて健康リスクが高まる一方で、「幸福度」が高いことを報告しています。



引用 https://www.persol-group.co.jp/ing/2018/20180208_632/index.html

この「希望の残業学プロジェクト」では、調査結果から「残業は『集中』して、『感染』して、『麻痺』させて、『遺伝』する」ものだと分析するとしています。

一方、同調査では、幸福度や満足度は高いが、就業継続意欲は低くなるという結果も出でています。残業60時間以上で「この会社にずっと勤めていたい」と回答したのは28.8%で、60時間未満の層よりも5ポイント低く、「働くこと自体をそろそろ辞めようと思う」という回答も18.6%あります。

例えば、60時間を超えても幸福であると回答した人以外が、就業継続意欲が低いといった関連した細かなデータがあれば、もう少し因果関係が明確になるので、春以降に書籍等で発表されるとされているので期待したいと思います。

さて、60時間と言えば、政府は6日、「働き方改革」関連法案を閣議決定し、国会に提出した。最大の改革は、所定外労働時間、つまり残業時間に上限を設けるというものですが、坂本会長は、この改革が真に誠実に働く人々や、その人たちを支えている家族の幸せ創りに寄与するか疑問でならないと指摘しています。

なぜなら、残業時間の上限は年間720時間、1カ月では最長100時間以下、年間720時間ということは、1カ月当たりに直せば60時間、1日当たりでは3時間であり、1カ月100時間以下ということは1日では5時間ということなるからです。

坂本会長は、規定の終業時間が午後5時の会社では、3時間の残業をさせれば8時の退社、自宅に帰れば9時前後になり、ましてや、5時間の残業をさせれば10時の退社、自宅に帰れば11時前後になってしまうといった実態を踏まえての発言です。
さらにサービス業では、5時ではなく、6時や6時30分が終業時間といった会社もあることを考えると、家庭生活に支障をきたすことになります。

私は、中原淳教授の残業時間と幸福度に関する調査の実感もあるものの、大切なのは、人は家族をはじめとする人との関わりの中で生きていることを考えると、例え、働いている人が幸せであり、心理学でいう重要感、有能感、好感といった自己肯定感が高まるといっても、あるべき姿ではない・・・と自戒を込めて思います。自分が幸せであると感じても、周りに良くない影響があるとすれば、それは我儘だからです。さらに、残業が60時間を超えれば、健康リスクが2倍になるとなれば、なおさらです。健康を損なえば、幸福どころか不幸になってしまいます。

私事ですが、起業してからの7年以上の月日を振り返れば全く休んでいません。起業することはそういうもの、経営者は社員とその家族への責任があることが言い訳になっていますが、長時間労働ではなく、短時間で働く知恵・工夫で経営者と家庭の一員としてのバランスを果たしていくことの重要性を感じます。

昨日、イチローが、44歳で今季、選手としては試合に出ないといった報道がなされていますが、長く成果を上げ続けるイチローは、きっと、休み方もうまいのだと思います。

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