夢もって、がんばっぺ、ふくしま/日本全薬工業さん(福島県郡山市)

【第3回ふくしま産業賞知事賞】日本全薬工業(郡山) 全国35カ所に販売拠点

 福島県の地元の新聞社である福島民報社は、産業、ものづくりの振興によって福島県の活力を高めるため「ふくしま経済・産業・ものづくり賞」(略称・ふくしま産業賞)を創設した。2018年2月には、第3回表彰式が行われた。
 そもそも福島県は過疎や高齢化、少子化などの課題を抱えて人口の偏在化が進んでいたところ、東日本大震災と原発事故が追い打ちをかけた。厳しい環境に立ち向かいながら持続可能な県土をつくるには、地域の隅々まで産業基盤を整備することが求められる。県内で「独自の光る技術」を持つ企業や「伝統を守り、地域性豊かなものづくり」を続ける人材などに社会的な評価を与えるとともに、その活動の情報を発信する中で、新たな市場開拓につなげるなど、県内の企業活動・ものづくりを応援し、人材育成等を通して経済の活性化を図ることが、ふくしま産業賞の目的である。

                     

 今回、ふくしま産業賞知事賞を受賞したのは、日本全薬工業(郡山)さん。動物用医薬品の研究・開発から製造、販売までを一貫して展開して、経営品質向上活動を積極的に進めている。今年2月、北海道・東北の民間企業で初めて日本経営品質賞・大企業部門に輝いた。高野恵一社長(64)は「『福島発を世界に』の思いで、価値ある製品を世界に送り出す」と意欲を語る。

 全国35カ所に販売拠点を置き、動物薬業界で唯一、代理店を通さない直接販売システムを採用。顧客に製品情報などをきめ細かく提供する一方、要望や課題を吸い上げ、研究・開発に反映させている。
 乳牛、肉牛、豚、鶏などの家畜の「健康」の維持・増進に向け、高品質の製品を提供している。ベストセラーの牛用固形塩「鉱塩(こうえん)」は発売後半世紀が経過した今も多くの畜産農家が使い、定着している。ペット事業では動物病院に医薬品などを販売している。

 細胞凍結保存液「セルバンカー」は人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの保存に国内外の研究施設で採用されている。世界初の犬のダニアレルギー減感作療法薬「アレルミューンHDM」は県産カイコを原料に生産し、世界戦略製品としてアジア、米国、欧州での販売を目指している。
 
■メモ
▽設  立=1946(昭和21)年5月
▽社  長=高野恵一
▽従業員数=約720人

※福島民報社さんの記事より抜粋させていただきました。

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