~才能に障害はない~ (パソナハートフル社様訪問)

今回は、パソナハートフル社を訪問させて頂く貴重な機会を頂きました。その内容をご報告したいと思います。

12月7日に、東京日本橋のパソナハートフル社を訪問させて頂きました。「人を大切にする経営人財塾」の講義前に、坂本先生と人財塾の希望者メンバーで、社内の見学をさせて頂き、その後会社説明と質疑にお答えいただきました。

パソナハートフル社はパソナグループの障がい者雇用を促進する特定子会社で、多数の障がい者の方々が在籍し勤務されています。「才能に障害はない」をコンセプトに、障がいを個性として受け入れ、あらゆる角度から一人ひとりの可能性を見出し、それぞれの才能・能力にあった職域を拡大し、現在は6つの事業を柱に取り組まれているとの事でした。

まず建物に入って驚いたことが、エレベーター扉のデザインです。とても洗練されてかつ大胆な構図で、色使いも心が明るくなるようなデザインでした。これらは、パソナハートフル社の社員である障がいを持ったアーティストの方々が手掛けた作品だそうです。各階のエレベーターの扉全てがアーティストの作品になっているとの由。訪問するのが楽しくなります。

今回は4つの部門にお邪魔しました。

【オフィス業務】
社員110名のうちの70名が同部門で勤務されています。10名くらいのユニットに分かれており、オフィス業務に傾注されています。訪問した時は、一つのユニットの方は焼き菓子の梱包作業をされていました。別のユニットでは、名刺の発注業務をされたり、パソナグループの社員の通勤経路確認のお仕事をされていました。一点印象的だったことは、館内の文具を一括して発注しているユニットがあるのですが、多くの注文をする中でコストカットを成し遂げ、40%の文具経費削減を実現させたりと、利益に大いに貢献していることです。

【アート村】
総勢で20名のアーティストの方がいらっしゃり、交代で勤務されています。訪問した時は、3名のアーティストの方々が創作活動中でした。その中の1人のアーティストの方のお話を伺ったのですが、その方の作品は非常に人気があり、数カ月先まで依頼予約が埋まっているそうです。最初は水彩画の分野で苦労されていたのですが、ペン描きの才能が開花して、いまでは大企業から指名で注文が入るまでになったそうです。一つの作品を完成させるまでは1か月くらいかかるのですが、注文が入ると嬉しくなり、3週間程度で仕上がることもあるそうです。

【アート村工房】
訪問した時は、クリスマス商品の縫製をされていました。小さい巾着の端を縫製する作業で、熟練度と手先の器用さがうかがえます。1階のショップの横に作業場があり、ミシンが数台並んで、そこでお仕事をされていました。アーティストの作品のオリジナル商品やプリザーブド、アロマソープが人気だそうです。私も、ノートやクリアファイルを購入させて頂きました。とってもお洒落でデザイン性の高い商品で、贈り物にも最適だと思います。

【メール室】
13人の社員が勤務されています。この部署ではアシスタントの健常者一人を除いて、あとは全員障がいを持たれた方になっています。各部署の郵便物を配達したり、また館内の郵送物は一旦この部屋に集められるので、郵便局員にも好評とのことでした。

その他にも、ゆめファーム(お米や野菜の栽培)やパン工房の業務があります。ゆめファームは東京まで通勤できない方がお勤めになっていますが、重度の障がいをお持ちの方が電車に乗って、東京まで野菜を届けて下さることもあるそうです。

最後に、パソナハートフル社の常務執行役員の坂口亨様と、東京事業部営業チームのチーム長の岡田清香様よりご説明があり、質疑応答にお答えいただきました。これまで色々な課題や困難がありましたが、一つ一つ乗り越えられたとのことでした。また、勤務形態など様々な面で配慮・工夫されていることが分かりました。
一番印象的だったのが、業務以外での交流もとても深く、フレンドリーで温かい雰囲気に社内が満ち溢れていることです。例えば、我々が訪問した日は、パソナグループの社員の方とパソナハートフルの障がいを持った社員の方々が、夕方仕事が終わってから一緒に美術館を見学に行かれるそうです。奇麗なクリスマスのイルミネーションを見ながら美術館を訪問し、一緒に美術館で絵画を鑑賞することは、とても素敵な交流活動だと思いましたし、本当に心が通じ合っていないとできない試みだと思います。そのほかに、飲み会などの交流もあり、お店の予約や段取りなどは、障がいをもたれた社員の方が主体に進めるそうです。

坂口常務は「パソナハートフル社は、魂と血が入っている温かい組織になっており、社員が使命感をもって日々の業務にあたっている」、とおっしゃいます。加え、「業務中だけではなく、それ以外の時間も合わせて、幸せな人生を可能なかぎり作ります」と述べられました。実際に訪問させて頂き、本当にそのお言葉通りに、そして社名の通りに、心が温まり思いやりが溢れる会社であると感動しました。

パソナハートフル社の坂口常務様、岡田チーム長様、そして社員の皆さま、今回は訪問させて頂く貴重な機会を頂きまして、本当にありがとうございました!

人を大切にする経営人財塾
小林久祉

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