人間も動物も逢いたい人がいれば強くなれる。

親しい知人の愛犬が不治の病と聞いた。3年半前のアメリカのネット記事を思い出した。

待っている人がいると奇跡が起きることを教えてくれた。

ガンを患った一匹の犬が起こた奇跡に、多くの人が涙を流しました。

ラルストン家の11歳の愛犬、カーミーは家族の中でも、海軍所属のお父さん、エリック・ラルストンさんが大好きでした。しかし2012年3月、お父さんはグアムに配置され8カ月間、家を離れることになりました。それでも、8カ月後にはまた会えるだろうと信じていたはずのふたり。

ところが…。

お父さんがグアムに行って1カ月後、カーミーは口腔ガンを患ってしまいました。残された時間はわずか2、3カ月だと医者から余命宣告されたカーミー。

奥さんはこう話しました。

私たちはショックでした。カーミーは私たちにとって初めての子供だった。だから、エリックが二度と彼女と会えなくなるなんて思ってもいませんでした。
それに、お父さんが戻ってくるのは11月頃。家族のみんなが、カーミーとお父さんはもう二度と会えないだろうと思っていたそうです。
時間が過ぎるにつれ、カーミーの口にできたガンはどんどん大きくなり、ご飯を食べることも難しくなりました。それでも、カーミーと別れたくなかった家族は一生懸命、看護を続けます。

毎日、毎日頑張ったカーミーと家族。やっと、お父さんが帰ってくる11月になりました。
『今までよく頑張ってくれたカーミーに、早くお父さんと会わせてあげたい!』
みんながそう願っていました。

しかし突然、お父さんのグアムでの任務が無期限に引き延ばされたのです。次に会えるとしたら、クリスマス休暇。その日までは、まだ1カ月以上も残っていました。
今度こそふたりが会えると、今度こそお父さんが戻ってくると、そうカーミーを応援して支えてくれた家族たち。ですが、カーミーの今の様子だと、1カ月はもたないと思われていました。

しかし、カーミーは頑張りました。ガンに負けることなく、クリスマスの数日前にやっと戻ってきたお父さんと再会したのです。お父さんが帰ってきた瞬間、カーミーは赤いリボンの可愛い首輪をして、お父さんのところへ走っていきます。
水も、ご飯も、まともに食べることができなかったカーミーでしたが、とても元気な姿でお父さんを迎えたそうです。

カーミーはこの瞬間をどれだけ待っていたのでしょう。お父さんに会えたことで、しばらくの間、前より元気よく食べることもできたそうです。そして、2013年1月に12歳の誕生日を迎えたカーミーは、その次の2月にこの世を去りました。カーミーは医者の予想より、7カ月も頑張ってくれたのです。

家族みんなが見守る中、天国へと旅立ったカーミーは、きっと幸せだったのではないでしょうか。大好きな人に会うため、余命宣告すらも乗り越えてみせたカーミー。
今も赤いリボンを首に飾って、ラルストン家を見守っているような気がします。

人間も動物も逢いたい人がいれば強くなれる。

「人を大切にする経営学会」
中部支部
知野 進一郎

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