出版業界の現状

連休中に、月間「人を大切にする経営」といった雑誌を出版できないか?を検討しました。
なかなかハードルが高い状況ですが、新しいことを始めるということには苦労はつきものなので前向きに取り組みたいと思います。

取次大手の日販の資料によると、ピークの1996年を過ぎると紙の出版物の売上は減少し続け、特に雑誌の売上の落ち込みは業界の大きな課題となっています。市場の縮小に伴い、出版社や書店の数も年々減少しています。

私自身の実感としても、10年前に初めて出版した際には、7000冊でした。しかし、現在は、一部の著者を除き、半分位の3500冊位からスタートして、売れ始めたら増版するといった出版社が多くなっていると感じます。

こうした状況の中、既存書店は、書籍・雑誌を絞り込んでいます。特に、雑誌については、週刊ダイヤモンドといった過去から実績がある雑誌以外は、新しいものを置くことをしていません。これは、ネット情報ではなく、実際に大手書店へ知人を通して確認いただいた結果です。

一方、時間と場所を選ばすに商品が購入できるEC市場は、ライフスタイルの多様化に合わせ、年々拡大しています。出版物についても、書店やコンビニエンスストアでなく、ネット書店で購入する読者が増えてきていることは、こちらも自ら、Amazonで購入することが、9割以上になっていることからも実感します。


ガページニュースより引用http://www.garbagenews.net/archives/1987634.html

アメリカでは、電子書籍の売上の伸びは鈍化していますが、この一因に低価格化が挙げられます。つまり、紙その他の費用が掛からないために、低価格に設定しても利益が出るからです。

一方、平成28年12月に取りまとめられた「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議最終まとめや、平成29年10月に開催された中央教育審議会初等中等教育分科会での議論において、紙の教科書を主として使用することとし、必要に応じてデジタル教科書を併用することが適当とされました。これらを踏まえ、次期学習指導要領の実施を見据えてデジタル教科書を導入することができるよう、文部科学省は、平成30年通常国会に学校教育法等の一部を改正する法律案を提出し、同年5月25日に成立しました。(文部科学省ホームページより)

電子教科書が優れている点は、動画なども挿入可能であるという点です。動画の情報量の多さとダイレクト性は、直接的に伝わります。一方、文字には、絞り込まれた文章で表現できるといったメリットがあります。アメリカでは、2000年から教科書のデジタル化を進めていますので、日本は、いい悪いは別として20年遅れてのスタートになります。

この流れは、メガトレンドであり、止めることができないような気がします。電車の中で、紙の新聞を広げる方は、皆無になったといってもいいと思います。紙の新聞を読んでいる人を見かけると競馬新聞だったりします。

さらに、時代が変われば、電子教科書で育った世代になり、ますます紙離れが進むことになるでしょう。

1.電子雑誌→季刊誌→月刊誌

2.書店に置かない年間購読型の雑誌 例)致知 理念と経営他

等、様々な可能性を模索していきたいと思います。

学会事務局として、会員が多くなればなるほど、年に1回の学会誌が当たり前なのが通常の学会ですが、何とか会員になっていることでのメリットを高めていきたいと思います。

『なんとしても二階へ上がりたい。どうしても二階へ上がろう。この熱意がハシゴを思いつかせ、階段をつくり上げる。
上がっても上がらなくてもと考えている人の頭からは、決してハシゴは生まれない。』

松下電器の創業者、松下幸之助の言葉です。しっかり心して取り組みたいと思います。

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