落選した理由

5月8日に開催された「静岡県中小企業経営問題研究会」、坂本光司「人を大切にする経営学会」会長は講演で第9回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」で落選した理由を上げた。

① 社員の給料と比較して社長の給料が異常に高い会社 年間300万円の社員の給料に社長の報酬は3000万円の事例を上げた。
② 利益率に比較して社員の給料が異常に低い会社
③ 本社と比較して工場がみすぼらしい会社
④ 生産設備と比較して福利厚生施設が劣位な会社
⑤ 直接・間接を問わず障がい者雇用に尽力していない会社
⑥ 日常的に月間30時間以上の残業をしている会社
⑦ 転職的離職率が3%以上の会社
⑧ 有給休暇の取得率が30%以下の会社
⑨ その他

補足をさせていただく。
② 名前を上げなかったが横浜市のさくら住宅さんの例を上げた。同社は10%を基準においている。他に100の指標や坂本先生の講演で気づいたことを取り入れるお手本の企業だと思う。
③ 大阪市の道頓堀ホテルの社長室、総務等の部屋は最上階でお金をかけていない場所にあった。
④ 社員食堂やお手洗いがウオッシュレット、社員が寒くても暑くても仕事がしやすい職場にして欲しい。
⑤ 私は点字名刺を6年前から使用し続けているが、最近、「点字名刺ですか。初めて受け取りました」という声をいただく。障がい者雇用は視覚障がい者をマッサ-ジ師として雇用するケ-スも拡がりつつある。
⑥残業が多く疲れ切っていては電話応対を含めてお客様へはいい応対ができません。
10人の職場だとパ-トアルバイトを含めて12~13人が働く職場にしたい。 休めるので集中して良い仕事ができる。 3月24日の情熱大陸で紹介された「湘南鎌倉総合病院の救急救命」は3交代制で残業がありません。資格を取っても就職口がない救急救命士もスタッフとして活躍している。
⑦転職的離職とは結婚・出産退職等でやむを得ず退職する以外の離職を意味します。「田舎に戻る」等を理由に上げるが実際は他社へ転職すること等を転職的離職といいます。最近は結婚しても出産しても、両親を介護することも考えて男女共工夫した働き方が増えています。最新刊「ニッポン 子育てしやすい会社」は51社の事例を紹介しています。Facebook等で紹介していただきありがとうございます。

坂本会長が時々取り上げる主要自動車会社の問題も提起した。1回で納品をすれば良いのにジャストインタイムで一日に何回も納品するための加重労働も紹介した。

以下、知野、最近、過去最高の売上を上げた社長が社員のおかげと会見していた。
自動運転等の投資で利益は減少したと言う。数年前に一回だけ納入・仕入業者への値下げを止めようだが依然として値下げ要求をしている。企業の目的は「関連する全ての人々を幸せにすること」。多額の利益を上げているので納入・仕入業者への価格を上げたら、自動運転等へのアイデアが出て主要自動車会社と納入・仕入業者が協同し良い物ができると思う。

社内結婚を予定していたが夫になる社員の納入・仕入業者への価格叩きを見て将来の自分の姿を見て結婚を辞めた女性も多いだろう。
ある日、一斉に納入しないで「毎年値上げをさせていだきますので、なんとか納入してください」。納入先を分散して強い立場になっていただきたい。

「人を大切にする経営学会」
中部支部
知野 進一郎

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