障がい者を一流の革職人に養成する~UNROOF(アンルーフ)コネクトキャラバン

ソーシャルビジネスを通じて社会問題の解決に取り組む、社会起業家のプラットフォームカンパニー「株式会社ボーダレス・ジャパン」(代表 田口一成)のグループ会社の1つ、UNROOF株式会社(アンルーフ 代表取締役社長 髙橋亮彦、中富紗穂)の東村山工場を訪問しました。

UNROOF株式会社は、「障がいがあっても自分の可能性を信じられる社会」をつくるため、今年1月に立ち上がりました。障がい者就労が低賃金/単純作業の傾向にある現状を変えるために、一流の革職人を育成する革工場をつくました。現在はADHDや発達障がいのある職人4名が正社員として働いています。商品の品質も高く、健常者の仕事ぶりを上回るほどです。

5分の動画では、坂本さんという若い女性が、「私は発達障害で、、」と自己開示してアンルーフの社会的意義を訴求しています。自己開示の勇気に心動かされました。心の痛みを超えて、未来の理想の日本社会像の実現への希望・光に向かって、坂本さんは真っ直ぐに道を歩いています。そんな坂本さんは、アンルーフで居場所を見つけ、心穏やかに革職人として着実に技を習得、かなりのレベルに到達されています。

自分をロールモデルとして捉え、自ら立ち上がり、先鞭の道をつける役を引き受けています。頭が下がります。そして、凛として爽やかです。

以下はクラウドファンディングページですが、まずは、そこの5分の動画だけでもぜひご覧ください。感動と出逢え、新しい世界が広がるでしょう。

▼UNROOF
https://camp-fire.jp/projects/view/152363

いくつか髙橋さんに質問しました。

①動画を見て坂本さんの自己開示する勇気に感動しました。葛藤もおありだったと思ったのですが、それを乗り越えたものは何ですか?

⇒元々、坂本を採用する際に、僕らは実験台(モルモット)だということを話していて、僕らの考えを自分たちで発信することが必須になるから、徐々にでもいいから発信をしていこうという姿勢の下、採用をした経緯があります。そのうえで、職人としても仕事がしっかりできるようになり自信もつき、UNROOFのビジョンを発信していこうと思ってくれたと考えています。

②アンルーフのブランドの目的は?

⇒障がい者でも健常者同様に戦力となり働くことができるロールモデルを創ること。今の障がい者雇用には、ステップアップは基本的にあり得ません。障がい者だからできない、というような固定概念をなくしたい、そんな想いです。

③アンルーフのブランドが世に広まると、日本社会はどう変わりますか?

⇒UNROOFの考えは、障がいを障がいと感じない社会/障がい者という言葉がなくなる社会、これを目標にしています。僕らは戦力としての働き方のロールモデルを創る。具体的には、
           ↓
 〇大手など障がい者雇用をする会社の何%かでも、障がい者でもより生産性高く働く方法があると、UNROOFをパクりたくなる。
           ↓            
 〇今の障がい者雇用枠での働き方ではなく、UNROOFのような働き方ができる場が増える。
           ↓
 〇障がい者自身の自立や将来設計が健常者と変わらずにできると、当事者が希望を持て、自分の就労に関しても、一つ上の目標を立ててみようと頑張ろうという環境ができる。
           ↓
 〇障がい者と働いた経験のない健常者が、実際に働き障がい者がわからない/できないという評価ではなく、仲間としてみることで障がいをより自分事に捉えることができるようになる。

上記は僕の勝手な妄想ですが、本気で目指しています。UNROOFの思想が広がるということは、障がいを持っていても健常者でもまぜこぜで自分が自分でいいと思える社会になる。自分の存在価値を認めやすくなる社会になると思っています。

④発達障がい者、ADHDの人が革職人として正社員として経済的に自立ができますか?

⇒ほぼ間違いないです。精神疾患であっても上記と同じことはできると考えています。

⑤発達障がい者、ADHDの人が持つこだわりなどの強みを仕事に活かせて達成感、自信を得られますね。

⇒強みよりも、自分の苦手をトライする中で理解して、障がい特性上苦手な仕事をマッチングしない、それ以外の仕事は何でもやる、ことが大事だと思っています。

⑥UNROOFは文字通り「誰かに作られた枠(天井)にとらわれないで生きる場をつくりたい」 。自分を縮こませて生きていかざるを得ない弱い生き方ではなく、発達障がい者を見る世間の目やその視線に負ける弱い生き方はしたくない。視線を跳ね返す、可能性を拠り所とした強い生き方をしたいし、それができることを示したい。そんな想いを感じましたが。

⇒その通りです。この働き方をできる人は障がい者の全員ではないかもしれませんが、自分を変え続ける努力ができればできることを示せると考えています。

⑦日本社会に、発達障がい者の強みを活かせる職場が多数あり、多様性を職場に取り入れていけることが、日本を強くできると思っているのですね。

⇒僕の考えでは、多様性というよりは、すべての人が自分の努力で次の道を切り開ける環境をつくることが、日本社会にはあってほしい。そんな想いです!

さて、そんなアンルーフを身近に感じられるのが、全国のみなさんに直接会いに行き繋がる、「コネクトキャラバン」です。

会社のお昼休みや、午後の休憩、就業後などや、お仲間の集まり、勉強会など、8人以上集まれば、10分間で、障害者が置かれている日本の状況や、それを解決するためのUNROOFのアプローチ方法などを、社長である高橋さんと中富さんが、直接あなたのもとへお話しにいくキャラバン活動です。

また一人でも多くの方にUNROOFの取り組みと革製品を知っていただきたいので、7/19(金)まで クラウドファンディングを企画しています。リターンは、職人の製作する革製品です。左利き専用のお財布もありますので、プレゼントの選択肢に加えてみては。

「障がい者が自分の可能性を信じられる社会」を実現するため、1人でも多くの方と繋がり、この事業や想いを広めていきたいそうです。ご興味のある方は、以下にご連絡してください。

髙橋:akihiko@borderless-japan.com
中富:nakatomi@borderless-japan.com

UNROOF株式会社 https://www.borderless-japan.com/social-business/unroof/

(人を大切にする経営学会 東北支部 本田佳世子)

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