学会経営人財塾へ診断士続々、二宮生憲氏「五方良し」説く

学会経営人財塾へ診断士続々、二宮生憲氏「五方良し」説く
東京都中小企業診断士協会の「人を大切にする経営研究会」(代表幹事 才上隆司診断士)の2月12日の定例会合の話を書く。
この日の講師はさくら住宅の二宮生憲代表取締役(人を大切にする経営学会南関東支部長)。講演内容は後で記述する。
この日のことで私がまず書きたくなったのは「人を大切にする経営」の大切さが診断士の間で浸透してきているのではないかと感じた、ことだ。
すぐそばの席にいた診断士2人から「4月に人財塾へ入塾する」と聞いた。さらに、別の1人からも「来年になるけど入塾する」と聞いた。
会合の中では、「株主資本主義(利益至上主義)の修正、公益資本主義(ステークホルダー資本主義)へ」というダボス会議の論点を取り上げ、従来の診断士のあり方が間違っていたと言っているようにも聞こえる発言もあった。
私の同研究会参加は2019年5月から。7月に坂本光司会長が講演した時、研究会について感じたことは、坂本会長の主張を真剣に受け止めている診断士はあまりいないのではないかということだった。
その間、何があったかのかは推察するしかないが2つ指摘しておきたい。
まず世の中の変化。米国のビジネスラウンドテーブル(日本の経団連に相当)が「株主だけなく、すべての関係者との関係を大切にする」ことを宣言、さらにSDGs経営やESG投資もクローズアップされてきた。
次は研究会に招かれた「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」受賞者らが経営のあり方を全身全霊で語り続けてきたことだ。坂本学会会長、坂東太郎の青谷会長、徳武産業の十河孝男会長らの講演については私がブログで伝えてきた通りである。
さて、さくら住宅の二宮生憲代表の話。演題は「五方良しの経営とその実践」。坂本会長の教えを骨格に会社にかかわるすべての人を幸せにする取り組みを詳細に話した。
同社は坂本会長の「日本でいちばん大切にしたい会社5」(2016年1月16日発行)に取り上げられ、カンブリア宮殿(2016年6月23日放送)に出演している。
ブログは行数制限もあり、経営について強調した部分と私も気になるリフォーム裏事情部分など二宮さんオリジナル部分を中心に抜粋してお伝えしたい。二宮さんは横行するリフォーム悪徳業者と戦っている。
神原哲也(日本記者クラブ会員、中小企業診断士・認定経営革新等支援機関、人を大切にする経営学会会員)
◎経営について
〇会社は社会の公器である。
税金は1円でも多く払いたい。社員の給与は1円でも多く払いたい、と考えている。そんな会社があるはずない、と言う方も多いだろうが、私は実践している。(平均給与など公表、また従業員に利益還元して利益率を適正なレベルに引き下げたことにも触れた)
中小企業の多くは赤字、税金を払っていない その結果、国は子孫への付け回しになる赤字国債を発行している。診断士の方々には、中小企業に税金をより多く払うこと、給与をより多く払うことを指導してもらいたい。
〇経営者の仕事 誰よりも働くことが大切
1 方向を明示し決断する
2 社員を経営に参加させる
3 社員の声に耳を傾ける
4 社員のモチベーションを高める
5 誰よりも働く
6 後継者を発掘し育てる⑦公私混同しない
7 決算書を社員(アルバイト含む)に公開すること。
このうちもっとも大切なのは⑤の「誰より働くこと」。
経営者は社員の3倍以上働け! 経営者は背中を社員に見られている。
〇中小企業がやってはいけない3つのこと
1 価格競争~アフターサービスでお客をサポート
2 社員間競争~ノルマはなくする
3 品ぞろえをふやすこと~オンリーワンに特化する
◎リフォームについて
〇見積りは現場を見ないとできない
写真で見積もるというリフォーム業者がいるかもしれませんが、現場を見ないと見積りは出せません。当社は現場で見積った後で断ってもらってもいい、と言っています。
〇売りに走るな
社員には「売りに走るな、無理に契約してもらうな、お願いしてまでも契約をとってくるな、よそが値引きしていると値引きを迫る客には、それでは値引きするという業者でやってください、困ったらこっちへきて下さい、というスタンスでいい」と言っています。
〇安い、高いには訳がある
例えば(意訳)エアコンを取り付け。値段が安いエアコンの工事業者は多数こなさないとペイしない。そのため手間をかけない工事をしようとする、結果、瑕疵をつくる。さくら住宅のサービスとは質が違う。
〇悪徳業者の横行
 二宮さんは、個人の玄関のカメラがとらえた悪徳業者の映像を会場で表示した。例えば(意訳)悪徳業者が屋根が壊れているという言葉を信じて、屋根にあげると、屋根を壊して屋根を修理し、高い報酬を請求する、と。

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