コロナウイルスによる影響下で考える

新型コロナウイルスの感染拡大防止を理由に、日本政府が全国の小中学校および高等学校の一斉休校を要請したことを受けて、我が家の小4の息子も長い春休みを過ごしています。
 学習塾なども、休講や教室での授業は行わず自宅学習とするなどの対応をとっている場合が多いようですが、幸い、我が息子の通う学習塾を含む複数の習い事は、全て通常どおりの開講を続けてくれています。むしろ、通常授業は夕方からなのに、午前中からの教室解放やオンラインでの臨時授業を実施するなどの対応を頂いており、我が家は大変に恵まれた環境にあります。いずれも経営者は地元出身の方で、普段からきめ細かい個別対応をしてくださるのですが、さらに現在は突然の一斉休校をフォローして頂き、地域に根を下ろした中小企業ならではのあたたかな対応に、心から感謝しています。
 ある習い事の先週の授業では、偉人について知る単元として、出光興産の創設者、出光佐三氏について学びました。戦後の高度経済成長と日本の復活を支えた偉人であり、利他の人としての出光佐三氏の壮絶な一生を十分に伝えてくれる、 こどもたちはもちろん、同席していた保護者たちも、皆そろって感動した素晴らしい授業でした。この感動を忘れないうちに、と帰宅して、母の私は本棚にあった「海賊と呼ばれた男」を読み返し、息子には同書の漫画版を購入し、数日間は親子で出光佐三に没頭しました。「人間尊重」を社是とし、敗戦によって多額の借金を抱えながらも千人を超える店員の「一人の馘首もならん」とし、商工省と石油配給統制会社の圧力にも「黄金の奴隷になる勿れ」と言って、全ては日本国のためとして孤高の経営者であり続けた佐三氏の素晴らしい生きざまに、息子も大変感動したようです。これを機に、母の学ぶ「人を大切にする経営」とそれを実践する素晴らしい会社についても、親子の会話が弾みました。

そんな矢先、新型コロナウイルス感染拡大に伴う観光客減少の影響から、観光関連企業の廃業や解雇が各地で問題化しているとのニュースが次々と流れており、非常に心苦しい思いです。経営者の苦しみ、悩みを当事者として実感することのできない私は、とても偉そうなことを言える立場ではないのですが、今こそ、出光佐三氏のように「至誠天に通ず」ことを実証する孤高の経営者の生き方から学ぶこと、特に若い世代へ教育していくことの大切さを実感しています。

人を大切にする経営学会 人財塾生 松久 知美

【参考】

沖縄タイムスプラス:「突然解雇すると言われた」 新型コロナ、労働問題に波及 雇用助成金の相談も急増(2020年3月6日)

北海道文化放送:運転手絶句「こんなに早く決断されるとは」観光バス会社”ほぼ全員解雇”…新型コロナ 入国規制が追い打ち(2020年3月6日)

ホテル特化型メディア Hotel Bank:影響甚大、相次ぐ新型コロナウイルス関連倒産、多業種まとめ(2020年3月9日)

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