第11回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」

今年も「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の応募受付がはじまりました。
募集期間は2020年7月6日(月)~2020年11月9日(月)、自薦・他薦を問わず、同大賞のウェブサイトからオンラインで、または郵送で応募となっています。

日本の経済に、日本のすべての働く人に、本当の活力を生み出すために。
「正しいことを、正しく行っている企業」を表彰します。
「人を幸せにする経営」-言葉にすることは簡単ですが、実践するのはとても難しいことです。本賞における「人」とは、1従業員とその家族、2外注先・仕入先、3顧客、4地域社会、5株主の5者を指します。人を幸せにしていれば結果的に業績も上がるはずです。そんな大切な会社を1社でも増やしたいという思いで顕彰制度がスタートしました。
(「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」公式HPの冒頭より転記)

この基本は同大賞の創設以来変わることはありませんが、応募資格や審査基準などの細かな点は、社会情勢の変化に合わせて毎年見直されています。

【応募資格】
過去5年以上にわたって、以下の6項目全てに該当していること
① 希望退職者の募集や人員整理(リストラ)をしていない
② 重大(死亡や重傷)な労働災害を発生させていない
③ 一方的なコストダウン等理不尽な取引きを強要していない
④ 障がい者の雇用率は法定雇用率以上である
(常勤雇用45.5人以下の企業で障がい者を雇用していない場合は、障がい者就労施設等からの物品やサービス購入等、雇用に準ずる取り組みがあること
(本人の希望等で、障がい者手帳の発行を受けていない場合は実質で判断する)
⑤ 営業黒字で納税責任を果たしている(除く新型コロナウイルスの感染拡大の影響等による激変)
⑥ 下請代金支払遅延等防止法等の法令違反がない

昨年(第10回)の応募資格⑤は「営業利益・経常利益ともに黒字(除くNPO法人・社会福祉法人・教育機関等)である。」でした。今年は、営業利益を上げているだけではなく、きちんと納税していること前提条件として、より厳しくなっています。他方、コロナウィルスの影響がなければ黒字化の見通しであった場合は、応募資格を満たしていると判断されます。

審査は、識経験者、学会関係者などで構成する審査委員会により行われます。
【第一次審査】書類審査(財務評価、経営評価に関する情報提出、これらの書類審査通過後に3期分の決算書を提出)
【第二次審査】ヒアリング調査(審査委員が応募企業を訪問し、経営トップに対してヒアリング調査を行う。)

審査の詳細について、第10回大賞受賞企業決定にかかる記者発表会(2020年2月27日)の説明に基づき、以下に紹介します。

【第一次審査】
提出された書類に基づき財務評価と経営評価を行う。経営評価は以下の50項目に沿って実施する。(50項目×2点=100点)

【第二次審査】
企業を訪問し、第一次審査の50項目、過去3期分の決算書の内容等について質疑応答により確認する。ヒアリングによる確認項目は以下のとおり。(10項目×5点=50点)
 1.職場の雰囲気
 2.職場環境・社員食堂など福利厚生施設のレベル
 3.経営トップの考え方・進め方
 4.社会貢献・地域貢献への取り組み
 5.財務の健全性
 6.社員とその家族に対する姿勢・関係性
 7.仕入れ先や協力企業に対する姿勢・関係性
 8.顧客に対する姿勢・関係性
 9.障がい者や高齢者に対する姿勢・関係性
 10.全体所見

【第三次審査】
8つの主要確認項目に沿って評価し、1つでも該当する場合には審査から除外される。その後、第一次・第二次審査の結果を考慮して総合的に評価し、「いい会社」と判断されれば受賞となる。

日本でいちばん大切にしたい会社大賞」第三次審査の主要確認項目
 1.転職的離職率が高い(10%以上)
 2.所定外労働時間が長い(月30時間以上)
 3.有休休暇取得率が低い(20%以下)
 4.正社員比率が業界平均と比較して著しく低い
 5.財務内容が悪い(自己資本比率10%以下)
 6.社員の給料が業界平均と比較して著しく低い
 7.役員の報酬が著しく高い(社員の平均年収の10倍以上)
 8.就業環境・福利厚生施設が劣悪である

以上の審査を経て受賞企業が決定されます。
応募企業数は年々増えています。昨年は過去最多の127件の企業が応募し、20団体が受賞しました。毎回、小さくてもキラリと光る素晴らしい企業が受賞しています。今年はどんな企業との出会いがあるのか、とても楽しみです。

人を大切にする経営学会人財塾卒業生 松久 知美

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