【信じて、待つ】

【信じて、待つ】

先週紹介させていただいた京都市のirodori0919の小島拓也社長の11月1日の投稿をシェアさせたいただきます。
優しさはどこからくるのか。紹介させていただきます。

今日、約1年ぶりに出勤してきた社員がいました。

彼女が出勤してきた瞬間、会社の中にいた皆が、「おー!!久しぶり〜!!」「おかえり〜!!」と挨拶や歓声で出迎えました。女性同士はお互いに笑顔で手を振ったり、ハグしたりもしていました。

私は今日のこの瞬間を待ち侘びていました。

彼女が体調不良を理由に会社を休むようになり、今日の嬉しい瞬間を迎えるまで、約1年かかりました。短いようで、長かった。。

彼女が入社してしばらくは、特に何もなく過ごしていました。

ところが、半年経過後、次第に彼女は休むようになっていきました。

職場での仕事内容や人間関係には特に何の問題もなかったのに、何故だろうと思っていました。

彼女は、発達障害と精神障害がありました。

イラストやデザイン、HTMLやCSSのスキルがあったので、その強みや特性を活かして仕事をしてもらっていました。

ある時、彼女から休む連絡を受けた時に、「いつもこうなんです。」と彼女が話し始めました。

「いつも、半年は頑張る。でも、その後、体調が悪くなる。休みが続くと職場に迷惑をかけるからと思い退職をする。その後、転職するが、また同じことの繰り返しで退職する。」

いつもこの流れだと。。

私はそれを聞いた時に、何で半年間で体調が悪くなるのか、疑問でした。

つまり、半年間経過すると、体調が悪くなるというのは、違うのではないか?と思いました。

彼女の「本当の気持ち」を知りたいと思いました。

話を聞くと、発達障害等の障害特性自体の問題もあれば、同居している親との関係性で悩むという環境的な問題も出てきました。

特に後者の問題は強く、親が本人を心配して声をかける。親が心配をして仕事先を探す。親が本人に良かれと思って色々とアドバイスをする。これが、プレッシャーになっていたのかもしれません。でも、親が嫌いな訳では無い。むしろ、感謝している。働けていない自分、自立出来ていない自分に、負い目さえ感じている。だから、いつも「自分の本音」を親に言えないままでした。

親に自分の「本音を言えないこと」が、本人の生活リズムや就労のリズムにも影響している事が分かりました。

私は「本当はどうしたいのか?」を本人とゆっくり話していきました。

すると、「親と離れて生活したい。でも、自分一人では料理や家事、掃除が難しい。経済的にも難しい。」という事でした。

本人と親との住環境を分けるなどの環境調整を行なう事で、本人がまた、安定的に出勤出来るようになれば良いし、ならなければ、また違う方法を考えようと思いました。

本人や親、支援機関も交えて、今の本人の状況がより良い方向になるように、思い切って生活環境を変える方向で進めて行く事になりました。

時に、親と意見が衝突する事もあり、本人も時に、涙を浮かべながら、親に自分の気持ちを一生懸命に伝えていました。

「伝えているのに、伝わらない。」

これを何度も何度も、本人は感じていて、今までならば、伝える事をあきらめていたのかもしれません。

でも、今回のこのタイミングで、

本当はどうしたいのか?

本当にこのままで良いのか?

この質問を本人が自問自答した時に、

変化が起きていった気がしています。

結果的に、様々な機関や人の力も借りながら、少しづつ環境を調整して、生活拠点を変える事が出来ました。

医療機関や看護師等の協力も得ながら、昼夜逆転していた本人の生活リズムを少しづつ戻し、今日はコンビニまで行ってみよう。今日は朝8時には起きてみよう。今日はご飯を作ってみよう。少しづつ、少しづつ、本人の出来ることが増えていきました。

看護師さんからも、「本人さんは、またirodoriで働きたいと言っています。」との連絡も入るようになりました。

一度、崩れた生活リズム、就労リズムでしたが、少しづつ、本人の中で、働く意欲が出てきているようでした。

そして、新しい環境にも慣れ、生活リズムが整ってきた段階で、本人から、「もう一度、働きたい。」「復職したいです。」という連絡が先日会社にありました。

そして、今日、約1年ぶりに出勤する事が出来たのです。

「本人を信じて、待つ」。

私や会社に出来る事は、これだけでした。

また、一緒に働きたい。

また、一緒に仕事がしたい。

それだけの思いでした。

人が何か進む方向に迷った時、悩んだ時、疲れた時、挫けそうな時、いつも、また頑張ろうと思えるのは、応援してくれる人がいる。信じてくれる人がいる。という事を、自分の中に思えるかどうかだと私は思っています。

親が言ってるからではなく、

周りが言ってるからではなく、

社会がどうかではなく、

自分はどうしたいのか。

自分はどうありたいのか。

これからの時代は、形になりそうでならない、この思い、自分の本当の想いを形にしていくこと。これが何より大切なように思うのです。

改めて、人の思い、自分の思いを大切に出来る会社、形に出来る会社にしていきたいと思う今日1日でした😊

「人を大切にする経営学会」

中部支部 知野 進一郎

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