坂本光司先生の経営学:企業の「あり方」について(1)

 坂本先生の著作について、勉強し直しています。
坂本先生は、著書 “経営者のノート”のなかで「1)企業の“あり方”について、2)経営者の“あり方”について、3)企業の“やり方”について、4) “企業と社員”について、5) “正しくある”ことについて」それぞれ指針を示されています。
 本日は、そのなかから「企業の“あり方”の一部」をご紹介させて頂きます。 

1.企業のあり方について①

●すべての活動の“かなめ”は、目的、手段、そして結果の3つである。
もっとも重要かつ大切なものは、目的である。
このことを、経営者はひと時も忘れてはならない。

 坂本先生は、このように述べられています。「企業・組織で行われる活動は、すべて“目的・手段・結果”の3つから成り立っている。“目的”とは『何のために・誰のために活動するか』という活動の原点・使命である。“手段”とは目的を実現するための方法である。“結果”とは活動の成果である。この3つのなかでもっとも重要なのは“目的”である。しかし、“手段”や“結果”を目的の上位に置き、それらがまるで” “目的”であるかのような経営を行って平然としている企業が多い。成果のためなら手段を選ばない間違った経営を行ったことが、近年の日本企業の停滞の本質的な原因となっている。」
 私は、次のような例を思い起こしました。
「企業が、利益(成果)を増やそうとして、無理に“経費を削減する”場合があります。なかには、手段を選ばず“リストラ”を進めて“人件費をコストと考えて削減する”ことを進めます。そのような場合、いろいろなノウハウを持った“優秀な人財”も企業を去り、企業の体力が低下してしまいます。また、将来への種まきである“研究開発費”の削減を進めます。そのような場合、新たな商品やサービスの開発の芽を摘んでしまい、企業の成長を止めてしまうことにつながります。
いずれ、その企業は停滞・衰退してしまうのではないでしょうか。」

2.企業のあり方について② 

●企業はもとより、すべての組織体の経営の目的・使命は、その組織に関わるすべての人々の、永遠のしあわせの追求・実現である。

 坂本先生は、このように述べられています。「企業経営の最大の目的・使命は、“企業に関係する人々のしあわせの追求・実現”である。業績やシェアも重要ではあるが、それは“関係する人びと”の幸せを実現する“目的”のために重要であるに過ぎない。業績を過度に重視した経営は、“幸せにすべき人”を業績向上のための道具やコストと位置付けてしまうのである。人を原材料やコストと同じように位置づけている企業のために、人は価値ある仕事をすることは決してないだろう。逆に、企業から真に大切にされていると実感している人は、まるでご恩返しのように属する企業のために報いてくれるのである。」
 私は、坂本先生の講演を初めて聴いた際に、この考えを学びました。以前、私は一緒に働いていた“仲間”がリストラで企業を去っていった経験をしてから「企業は何のために存在しているのか」とずっと考えてきました。そのとき、坂本先生のお話を聴いて、胸につかえていたものがストンと落ちた思いでした。それから、坂本先生の著作などで“人を大切にする企業の実例”を知れば知るほど、この考えが確信に変わっていきました。「“人を大切にする経営学会”に関わる企業には、本当にたくさんの“人を大切にしている企業”が集まっています。そこに属する人びとはその企業のために一生懸命報い、結果、企業は好不況に関係なくいい業績を上げています。そして、みんな安心して働いているので、その企業にはとても穏やかな空気が流れているのです。」

人を大切にする経営学会人財塾2期生 (合同会社VIVAMUS ) 中村敏治

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