自己研鑽

人を大切にする会社では、原則として残業はNGと言われます。会社は、社員の「命と生活」を大切にしなければなりません。長時間の残業は、社員の健康や家族関係を奪う可能性があるからです。しかしこれは、経営者に対するメッセージです。

 よく人を大切にする経営について、社員である方々と話をする場合に、社員の方で、この意味合いを理解していないのではないか、と思うことがあります。社員側から、自分は限られた時間だけ働けば、それでよい、と割り切って考えているような話を聞くことがあります。

確かに、仕事は、人を成長させる場です。仕事により学ぶことは沢山あります。しかし、仕事だけをしていれば、十分ということにはならないと思います。

 坂本先生は、「働くこと」という著書の中で、次のように述べています。

「自分の視点を高めたかったら、自らすすんでアフターファイブを使うべきである。朝8時から夕方5時までの仕事の中で、一流の人材になろうなどと思うのは、私に言わせたら虫がよすぎる。」

 つまり、経営者は、社員に残業等はできるだけさせてはならない。一方で社員は、仕事の場だけではなく、私生活の場において、自己成長のために、自己研鑽に努めるべきである、と。

 もとより、社員の自己研鑽は、会社の利益を増やすためではなく、社員自身が、社会に貢献するため、人として成長するためだとすれば、このメッセージは当然のことだと思います。

 ついつい、休日になると、仕事の疲れから、だらだらと1日を過ごしてしまう自己への戒めを込めて、休日前にこの原稿を書きました。

(学会 法務研究部会 弁護士山田勝彦)

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