irodoriは涙が彩る就労支援事業所

21年6月18日(金)に坂本先生の同伴者としてirodoriを訪問させていただきました。irodoriは就労継続支援A型事業所で京都市中京区西ノ京円町にあります。代表者である所長の小島拓也さん(写真添付)に出迎えていただき、事業内容の説明を受けた後、利用者である障がい者の皆さんの働いている様子を見学させていただきました。

この事業所に注目した理由は、安心して自分の特性を発揮して働くことができるため離職がほとんどなく、入所希望者は京都最多(年間130回の面談)と集まり過ぎて入り難い状況にあるためです。他では能力的に働けなくとも、ここでは働けるかもと評判になっています。小島さんが就職面接で重視するのは、能力ではなく交友力です。人のために働きたいと思えるか、周りの仲間が一緒に働きたいと願う人柄か、を重視しています。実際に見学させていただいてビックリするのは、障がい者を助けるという福祉の空気はなく、普通の会社のように皆さんが働いています。社員50名程のうち38名が障がいを持つ人ですが全く区別がつきません。社会に対して障がい者の事業所であると謳うこともありません。主な業務は、楽天市場等からの受注を受けて商品を梱包・発送する仕事です。

小島さん自身、福祉への問題意識があって立ち上げたものではありませんでした。小島さんの前職は不動産会社の投資マンションの営業でした。上司からの締め付けに疲れ果てて仕事を辞めました。会社を辞めたのは自分の弱さだと反省しました。しかし、弱さこそ武器になるかもと気付きました。弱い自分を知っているからこそ仲間とつながって一緒に仕事をしたいと思える。なんとなく福祉に思いが行き、就労支援に向かって動き始めました。今、小島さんは面接に来られた方に「あなたの弱さが必要なんです」と話し掛けます。

irodoriに集まる人にはいろんな背景があります。一人ひとりが発する色は異なります。自分の色を知ることは難しいですが、皆と一緒にいると自分の色が見えだします。自分の色と仲間の色が重なり合い、調和のとれた彩りになります。irodoriには嬉しい涙も悲しい涙もあります。この物語については、別の機会に詳しくお伝えします。

(人を大切にする経営学会会員:根本幸治)

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