人形工房「ふらここ」、五月人形を展示してます

東京都中央区東日本橋、江戸時代からの問屋街で伝統人形などのお店が並ぶ街です。大通りからは裏手になりますが、人形工房のふらここがあります。インターネットで販売しているため、常に人形が並んでいるわけではありません。ただ、期間限定でショールームが開設され、予約の上で人形をみることができます。すぐに買えない1年待ちの商品もあるので、是非に寄ってみたい場所です。

現在は、五月人形の展示がされています。やはり、実物を目の前にすると、細工の細かさや色の鮮やかさに驚きます。マンションなど現代生活にあわせて手軽に飾るコンパクトな人形が特徴でデザインも現代風ですが、人形自体の製造は伝統技法が守られています。

顔は真っ白な上質の貝の殻を細かく砕いた胡粉で仕上げ、目はガラス製、頭髪は絹糸、胴体は桐の粉を固め乾かし、筋彫りした部分に衣装の生地を押し込んでいく木目込み製法です。衣装は代表的な西陣織の産地である京都の織元で同社向けに特別に仕立てられた織物で製作されます。5色の糸からさまざまな色を鮮やかに出していきます。

最終仕上げの工程では、女性のもつきめ細やかさを活かし、検品や髪の毛のほつれ直しなど、年間を通して徹底的に実施して、人形を愛おしみ、子どもたちの健やかな成長を祈る気持ちで、時間をかけて丁寧に仕事を進めています。

人形には力があります。手に取る者に日本人としての誇りを奮い立たせてくれます。季節を祝う習慣を忘れないで次世代に伝えていきたいものです。(学会会員:根本幸治)

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