スタッフのOさん

人財塾4期生の杉本と申します。

司法書士事務所を営んでおります。

ブログの当番が廻ってきまして、何を書こうかと迷いましたが、うちの事務所のスタッフOさんについて書きたいと思います。

Oさんは、大学の福祉系の学部を卒業後、児童養護施設や障害児の施設、行政機関で障害児に関わる仕事などに就いていました。

縁あって数年前からうちの事務所に務めてもらっています。

Oさんは、これまでずっと、いわゆる福祉の畑にいたこともあって、福祉関係(特に障害児)の知識が豊富です。

Oさんと障害者雇用や障害福祉についてディスカッションする時間はとても刺激的で、日常のちょっとした雑談の中から発展する、そうした時間を楽しみながら、ここ数年一緒に仕事をしてきました。

Oさんの長男Mくんには「聞こえ」に関する障害があります。

APD(聴覚情報処理障害)という、聴力は正常であるにも関わらず、日常生活の様々な場面で聞き取りにくさが生じてしまう障害なのだそうです。

最近ではNHKの特集の影響などもあって世間の認知度が少し高まってきているようですが、まだまだ認知度は低いと感じます。

Oさんは、Mくんが幼い頃(APDが世間に認知されるずっと前)から、Mくんの聞こえについて違和感を持ち、自分なりに調べ、行動し、向き合ってきました。

最終的にAPDに先進的に取り組んでこられた言語聴覚士の小渕千絵さんにたどり着き、Mくんの障害について正しい知見を得ると共に、一緒に向き合っていく関係を築くことができました。

現在もOさんは小渕さんと共に、そしてMくんと一緒に、彼の「聞こえ」に向き合いながら生活しています。

OさんとMくんのエピソードが以前新聞記事に掲載されました。以下、引用いたします。

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栃木から静岡への帰路。東京駅で送受信機を試しに使ってみた。雑踏の中では普段、すぐ近くで読んでも気づかないM君だが、Oさんが送信機に「M」と小さな声で呼びかけると、「ママ、聞こえる、聞こえるよ」と反応した。担任教諭は送信機をつけることに協力してくれた。すると、ドリルや設問の指示、給食のおかわりの仕方など、今まで聞こえていなかったことがわかった。M君は「学校が楽しい」と言うまでになった。

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(読売新聞令和2年7月7日朝刊・医療ルネサンスNO.7319「若い人の聞こえ1/5」より抜粋。)

※なお、文章中の個人名についてはアルファベット表記に変更いたしました。

APDを患っている方は、推定で240万人にも及ぶと言われています。

APDのことをもっと広く世間の人に知ってもらいたいという想いと、いつもうちの事務所のためにひたむきに頑張ってくれているOさんに何か恩返しをしたいという想いから、この話をブログのテーマにしました。

「聞こえ」に関して不便さ、不自由さを抱えている人が1人でも多く救われますように。

余談ですが、本年4月より、Oさんを当事務所のCSOの職に任命しました。

CSO = チーフ“幸せ”オフィサー

最高”幸せ”責任者 です。

人の悲しみ、辛さ、大変さを知り、誰よりも優しく他者を思いやることが出来るOさんと共に、私たちはやさしい社会の実現を目指してこれからも日々精進してまいりたいと思います。

最後までお読み頂き誠にありがとうございました。

人財塾4期生 杉本直人(司法書士)

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