No390記憶に残る言葉【株式会社新宮運送;木南一志社長(当時)のお話から】

今回は2016年9月に坂本ゼミの合宿先としてご訪問した『株式会社新宮運送』さんをご紹介致します。
木南一志社長は思いの詰まった講話を淡々とゆっくりお話してくれました。
現在の社長は2025年に就任された木南晋一社長となっています。

 https://www.shingu.co.jp/

●概要 
所在地 兵庫県たつの市新宮町大屋668-12
代表取締役 木南 晋一(2025年就任)
資本金 3,000万円
設立 1962年11月1日
業務内容
 一般貨物自動車運送事業、自動車運送取扱業、自動車運送代弁業
 産業廃棄物収集運搬事業、環境関連事業(世直しリサイクルシステム)
 その他産業物流に関する一切の事業

●“SDEC運動” 安全運転への取り組み
この運動は4000日無事故無違反を目指す挑戦です。丸10年間という長い期間、公私ともに無事故無違反をやり遂げるには、並大抵の自覚ではできないでしょう。
ご訪問時点ではOBを含めて15名が達成していました。達成翌日からはまた1日目が始まります。視察に伺った9月中にはさらに2名が2回目を達成する時期でした。
達成のためにはついしてしまうふたつのこと、それは①携帯電話を見ない②一時停止は必ず守る、に関して、“自分との約束を貫き通すことだ”と教えてくれました。
また、車輪止めを必ずしています。今のトラックは構造上、ボタンひとつで動かない機構があるといいますが、車を降りて自分の手で車止めをつけることに意味があるのだと教えてくれました。毎回止まるたびに行うこの動作は、自分の存在価値を守り続ける儀式のようなものだと感じました。

新社屋ができた平成4年4月以降、毎月安全講習会を行っています。
エコドライブコンテスト(途中で名称変更)は平成21年環境大臣賞、平成24年にも受賞しています。
同社の安全への取り組みを知ったある消防署はわざわざ団員とともに見学に来たということでした。同社の安全への取り組みは消防署でも学びになるレベルなのです。

●風を起こさない運転
木南一志社長が15,6年前に体験したことが同社の最上級の運転レベルです。
ある秋の日、木南一志社長が掃除をしていた際、毎回定期的に通るトラックに気がつきました。そのトラックは自社のトラックではありません。3回目に通ったとき、プロの運転だと直感したのです。その運転を“風を起こさない運転”と呼んでいます。
“風を起こさない運転を言葉で説明することは難しい”、と早速社員に話しましたが、“そんなことはあるわけない”と言われたそうです。が、“今では同社の6,7人は同じような運転ができる”という事でした。

●印象に残った言葉
・人より一歩下がる。上っていく人生ではなく、おりていく人生。
・事故とは何か、自然の営みだけでは事故は起こりえないことを考えると、事故は人間が引き起こすものと言える。
・人間の価値 『天職に熱心な度 * 心のきれいな度』
心をきれいにするには①人にされてうれしいことを人にせよ②人にされていやなことは人にしない③人から受けた恩は謹んで忘れない④人にほどこさした恩は思うなかれ
・仕事は3つある ①自分の仕事②あなたの仕事③どちらでもない仕事、だとすると③を自分の仕事とする。

●掃除が教えてくれるもの
創業した頃、業績が良くない時期に掃除をしたらよくなると聞き始められたそうです。
掃除のルールは、はじめはないもの。段取りとして少しずつ作られるものだと言います。
臨機応変とは基本ができる人のみ行えること。
雨や雪の日の掃除は日ごろの道具は役に立たないことを教えてくれます。
例えば、
雑草は小さいうちに抜く。→仕事にも通じる
際を出す 道路の端を明確にする →仕事の責任範囲も同じ

●最後に
木南一志社長は10数年前に胃がんを発症され胃の2/3を切除されていました。その後物事の考え方が変わったとお話されていました。
また平成24年9月に得意先の大手企業がタンクローリー火災の大事故を起こし、翌日から仕事がなくなるという危機を同社は経験されています。そんな時、同社は有志を募って事故を起こした得意先の工場の周りを掃除したといいます。朝6~7時。社員の出社前には終える時間帯にしました。しかし食堂に勤めるパートの女性が気づき、以後、毎朝挨拶をするようになり、ある日役員が車で出社時に車を降りてお礼を述べたと言います。現在同社へ木南一志社長が講演をする機会があるそうです。

***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です