「感動が人を変える」忘れられない彼の笑顔=株式会社ウェルテクノス
私は、「なぜ会社を創業されたのですか?」と質問すると、彼はこう答えました。
「自分は生まれながら重度の内臓障がいがあります。1日でも長く世のため人のために生きたいと、入社試験を受けますが、障がいを理由に20社から落とされました。つらかったです。悲しむ両親の顔を見たくなかったので、夜遅くまで公園で時間を過ごし、両親が寝た深夜に帰りました。就職をあきらめ、アルバイトで資金確保と経営を学び、IT会社を創業しました。創業10年、おかげさまで、25名の障がい者を雇用する会社になりました」
「さらに大学院への入学を希望するのはなぜですか?」
「私のまわりには、働く意欲があるのに就職できない障がい者がいっぱいいます。もっと勉強をして、この人たちを雇用してあげたいのです」
私は、ランチにコンビニでおむすびを買おうとする彼を見つけ、買うのをやめさせて、彼を誘って寿司屋に入り話を聞きました。
「先生、褒めてください。今年は社員全員に4か月のボーナスを出すことができました」
ニコニコ顔で話す彼の笑顔を忘れることはできません。
寿司屋を出る時、今日はどこで泊まるのかと聞くと、カプセルホテルに泊まります、というので、「もう少し体を休める場所に泊まらなければダメじゃないか」と、初めて彼を𠮟りました。
彼は、ビジネスホテルに泊まるようになりましたが、3か月後に病気が悪化し、とうとう帰らぬ人になってしまいました。
「先生と話していると、いつも自然に涙が出てきます」 生前の彼の口癖でした。
「感動が人を変える」坂本光司著2022年より抜粋 (人を大切にする経営学会:根本幸治)

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