坂本教授のこと

長文です。
私は定年退職前にこんなことを言っていた。静岡県には日本を動かす3人の先生がいる。

焼津市の坂本光司法政大学大学院教授、島田市のサンリの西田文郎先生、浜松市の税理士法人、坂本&パートナーの坂本孝司先生。
まだ、坂本光司教授の授業は東京の平日だと思っていたので諦めていた時だ。

坂本光司教授、68歳で私より重い(教授なので書籍、書類の紙類が多い)キャリングケースを傍らに、私より速く歩く。私というより、60数名のゼミ生より速い。

「日本でいちばん大切にしたい会社」で一躍、脚光を浴びた、続編が2、3、4と出た、5の原稿は出版社へ行っている。
流石の坂本教授もこのシリーズの執筆は大変らしい。

2月に93歳のお母さんを亡くした。5が出版されたら墓前に挨拶をされ、感慨の涙を流すに違いないと思う。

8年前は、60歳、サラリーマンで言えば定年退職後に脚光を浴びたことになる。
それまでは一所懸命努力してきたが、報われなかった。
定年から脚光を浴びる。坂本教授の本が出版されたり、雑誌、新聞等に記事として取り上げられるのは教授以上に支えたお母さんと奥様が喜ばれたと思う。

坂本ゼミ生になり僅か1年半だが、坂本教授が注目を浴びるのは時代の流れも背景にあると感じる。
平成バブル崩壊までは、会社の業績は右肩上がり、給与も年々上がり希望があった。
業績・売上至上主義でも希望があったので、とんでもない社長、上司でも我慢して勤めたと思う。

加えてリーマンショック。
給与は増えないし、いつ首になるか分からない。
子供が欲しいが安心して産めない、、、。

こんな憂鬱な毎日が、30年近く続いたことになる。
業績軸から幸せ軸(人に優しい経営)に転じると希望が湧いてくる。

3.11が拍車をかけた。
津波が去って落ち着くと思ったが、安全神話が崩れた原発。
50年か100年でも回復しないかもしれない。

日本以外だったら暴動、略奪だったが、我慢して列を作った。
諸外国人から日本人が気づかなかった日本人の良さ、絆が再認識された。

マズローの欲求5段階、生理的欲求、安全欲求、所属と愛の欲求、承認欲求、自己実現欲求の上に、マズローが6段階「自己超越欲求」を創っていた。
自分より他人の幸せが自分の幸せと感じる欲求だ。

安心・安全の欲求、先進国でも安心・安全を感じる国は少ないかもしれない。

1.社員とその家族、2.パートナー(仕入れ先等)企業の社員とその家族、3.現在顧客と未来顧客と各々の社員とその家族、4.障がい者、女性、高齢者、社会弱者とその家族の幸せ、言い換えれば地域社会住民の幸せ、5.出資者や関係機関の社員とその家族の幸せ、まとめれば、会社に関連するすべての人の幸せを実現する経営だ。

給与の安さで外国に流れた製造業。
再び、我が国に戻り始めている。
歴史は螺旋状に進歩し、遙かに上がったものを提供しなければならない。
品質も良くなっている外国産以上のモノを創らなくてはならないので、職人魂に火をつけている。

TPPでダメだダメだと騒いでいる農家が多いようだが、
我が国の安心・安全ブランドに自社の独自ブランドを創造して付加価値の高い農産物、加工物を提供している会社も多くなっている。

高齢者が増えていくので、タクシーは成長産業。
50代よりも60代70代の方が食べている農産物も結構ある。
日本を救うのは農業。

我が国は、統計大国だが、使える統計は多い。
坂本教授によれば坂本教授と数名程度しか使っていないらしい。
ちょっとした図書館にある統計書だ。
JA等ですら知らないようだ。

遠方へ移出したり外国へ輸出する冷凍技術も開発・提供されている。
たとえば「いちご」。日本のどこでも採れる。
県等の行政やJA等の施策や投資の仕方等により、長い目で見ると都道府県のシェアに結果として出てくる。

1位はダントツで2013年データによると栃木県15.6%、2位は福岡県12.7%、3位静岡県6.7%、4位熊本県6.6%、、。
いちごの輸入は年間に4千トン程度、輸出は統計値はない。安心・安全のブランドに、地元・自社のブランド名を付けて美味しいものを創れば輸出は可能なのだ。
TV番組ではフィリピンに輸出している。

来月、長野県のTKC会員税理士先生にお話しする内容に新産業創出論の資料を加えることにした。

修士2年の知野 進一郎です。

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