世界150ヶ国の調査と「人を大切にする経営」の共通点
今週、トム・ラス&ジム・ハーター著「幸福の習慣」を読みました。この本は、世論調査で世界的に有名なギャロップ社が、150カ国の人々を対象に1950年代から続けている「幸福度調査」の結果について書かれています。
調査の結果。「ウェル・ビーイング(Wellbeing=幸福・人生の満足)」とは、以下の5つの要素が一体となっている状態。この5つの要素が相互に関わり合っていて、私たちが本当に人生に満足し、幸福を実感できると述べています。
1、仕事に情熱を持って取り組んでいる
2、よい人間関係を築いている
3、経済的に安定している
4、心身共に健康で活き活きしている
5、地域社会に貢献している
この幸福の5つの要素は、信仰や文化、国籍を問わず共通しているとあり、「人を大切にする経営」の考え方と共通している点を多く感じました。5つの要素の中で「仕事の幸福」は最も重要で根幹をなすものとしています。
以下、本書に書かれている「仕事の幸福」に関連する情報を共有します。
・ 「あなたは今の仕事が好きですか?」この質問に「はい」と即答できる人は、全体のたった20%しかいない
・ 3人に2人は毎日仕事が終わるのを待ち望んでいる
・ 1番楽しくないのは「上司と一緒の時間」
・マネージャーが「部下の発言に全く関心がなく、部下がどんな状態にあるのが気にしない」と思われているとしたら、そのチームのメンバーの40%以上は、職場に対して強い不満を感じ、自分の仕事に全く熱が持てず、仕事に何らかの実害をもたらす可能性がある
・ もしこのマネージャーが「部下の弱みに意識が向いている」場合(つまり、関心を持たないマネージャーよりも少しだけマシな場合)職場や仕事に不満を持つチームのメンバーの割合は22%にまで下がる
・ 更にマネージャーが「部下の強みに意識を向けている」人である場合。そのチームで職場に不満を持つ人の割合は全体の1%まで下がる
(本書より筆者作成)
最後に仕事と寿命のデータをご紹介します。
ギャラップ社の創設者ジョージ・ギャラップが1958年に行ったある調査では、人が90歳以上まで長生きできるかどうかは「仕事の幸福」次第であることが明らかになっています。この調査で、彼は95歳以上のアメリカ人を何百人もインタビユーしました。1950年代のアメリカでは、男性は平均65歳でリタイアしていましたが、95歳以上まで長生きしている人は、平均80歳まで働いていました。しかも驚くべきことに、彼らの93%は「仕事に非常に満足していた」、86%は「仕事がとても楽しかった」と答えていたのです。
今日も皆さまにとって、素晴らしい一日になりますように。
春木清隆
春木さん
マネジャーは部下の弱みより強みに関心を向けるべきなんですね!
数字が出ていると説得力がありますね!
本田 佳世子