『さらば価格競争 非価格経営に取り組む21社の実践』

昨日の模様、すべて12時30分に終了したが、月間 総務の高橋大輔さん、
14時51分にアップしていた。
ポイントもまとまっていて、凄い速さ‼️

『さらば価格競争 非価格経営に取り組む21社の実践』
2016-10-12 14:51

 10月15日に発売される書籍『さらば価格競争 非価格経営に取り組む21社の実践』(著者:坂本光司&坂本光司研究室、発行:商業界)の出版記念記者発表会が、10月12日、法政大学市ヶ谷キャンパスにて開催された。

 本書は、日本の中小企業の81%が「他社より安い」を売り物にした価格競争型企業であるという、本年1月に実施されたアンケート調査の注すべき結果を紹介し、長引く景気低迷や企業・事業所数の大幅な減少など日本経済の抱える問題の大きな要因の一つにこのような価格競争の蔓延が挙げられるとして、価格競争型経営の問題点や限界と、非価格競争型経営への転換の必要性を説いている。
 記者発表会に登壇した法政大学大学院政策創造研究科の坂本光司教授(人を大切にする経営学会会長)は、「企業の使命は、関わるすべての人を幸せにすること。社会の要請を超えた行き過ぎた価格引き下げは、社員や下請け企業など誰かを犠牲にせざるを得ない。結果として人を不幸にする価格競争型経営は執られるべきではない」と企業の存在意義の観点から価格競争型経営の問題点を明らかにするとともに、「わが国中小企業は、工場、小売商店ともこの30年間で半減している。製造業・非製造業を問わず、大手企業は世界的な競争激化の中、その仕入コスト、生産コストをより一層縮減するため、下請け企業に対し厳しいコストダウンを強いているが、この高廃業率の傾向が続くと必要な部材、部品が調達できないという事態に陥りかねない」と産業空洞化のますますの進展という悲観的な未来を案じる。
 さらに、「アジア企業の生産技術力や管理技術力は飛躍的に高まってきており、価格競争型商品の国際分業は加速・拡大している。この流れに逆らって日本企業が価格競争を進めることはアジア各国企業の仕事を奪いかねない。日本企業ならではの付加価値を生むことが好まれる国際分業であり、日本が世界から再び尊敬される国家になれる道である」と提言された。

 では、非価格競争をどうやって実現するのか?
 本書ではその方法を、(1) ニッチな分野、(2) お客様の声を徹底的に聞くこと、(3) ブランディング、(4) こだわりぬくこと、(5) 市場創造、(6) 社会貢献の6つのカテゴリーに分類し、「非価格経営に挑む中小企業21社」として事例を紹介している。
 そして、「価格競争型経営からの段階的決別」、「創造人財の確保・育成」、「外部資源の内部化」など、非価格経営を実現するための効果的ポイントを8つに絞って分析している。
 なお、本書執筆・発刊のきっかけとなったのは、全国の信用金庫経営者・幹部、中小企業経営者を対象にフコクしんらい生命保険株式会社主催で2015年に開催した坂本教授の講演会「人を大切にする経営学」。
講演会での坂本教授による「わが国企業は『価格競争型経営』とは決別し、『非価格競争型経営に変化・変身』しなければならない」との結びの言葉への参加者の興味・関心が高く、フコクしんらい生命保険会社代表取締役社長の山本幹男さんが、「日本の中小企業の存続・発展のために『価格競争型経営ではなく非価格競争経営のあり方・進め方』に関して共同研究し、その成果を多くの中小企業に実践してもらうため出版物として世に出しましょう」と坂本教授に呼びかけたことによって、産学共同研究がスタートしたもの。
 本年1月に実施された調査は、全国の従業員数300人以下の中小企業を対象に、人口比・業種別企業数比をもとに1,000社を選定し、Webアンケートを行ったもの。有効回答数は836。調査研究委員会によるアンケート調査結果の分析に加え、非価格競争型企業25社に対する現地ヒアリング調査も行われた。

『さらば価格競争 非価格経営に取り組む21社の実践』執筆・発行に関わったフコクしんらい生命保険株式会社、坂本光司研究室、商業界の皆さん。前列左から、坂本光司教授、フコクしんらい生命保険会社代表取締役社長の山本幹男さん、株式会社商業界『月刊商業界』編集長の笹井清範さん

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