東京都文京区の「原田左官工業所」さん
「商業界」の4月号で法政大学大学院 坂本光司教授が取り上げた東京都文京区の「原田左官工業所」さん。
昨年6月「ガイアの夜明け」で紹介され若者の共育の模範だと思っていた。
昨年、坂本教授と10名ほどのゼミ生が見学したが愛知県の私、参加できなかったが、東京に行く機会があり原田社長に懇願して訪問させていただいた。
・やはり、若者の共育の模範とする企業だった。
10~20年は包丁等には触らせないとかは、時代錯誤だと思う。
左官に限らず、他の業種でも取れ入れることができると思う。
原田左官工業所さんの2代目も3代目も左官の仕事はできないと言う。
・職人という社員の長所を引き出している。
左官ができれば俺に習えになってしまう。日本一の朝礼の徳島市の「西精工」さんの西社長も機械を動かすことはできない。
・毎年新卒を2~4名採用している。年に芸術系の大学生を含め、10人ほどが見学して応募をしているようだ。毎年採用し続けることによってお兄さんお姉さんだからしっかりしなくてはならない。とか、同期と情報共有をしたり良い意味の競争意識も生まれる。
・30年前から女性を採用し女性の更衣室や女性の手洗いを作った。男性の更衣室もあると言う。今の若者の男子は工事現場では恥ずかしくて着替えができない人もいるので男性更衣室も必要だ。
・女性の感性を生かす。男性にはない発想がある。同じ社内だけど気がつかない発想ができる。
・同社の目的の中に「社員を守る」がある。女性社員を守るから出たようであるが、社員は「社長・会社から守られている」と感じる風土は大切だ。
・ガイアの夜明けで紹介されたが、入社して数年の女性社員にデザインを含めて任せた。お客様から褒められ自信となっていた。任せられると思ったら任せるのがコツだ。万が一、間違ったら社長・現場の長が直せば良い。
・同業者の若い組合員と勉強し続けている。2010年に札幌の「中屋敷左官工業」へ見学に行き、モデリングに出会うが仲間との勉強会で札幌に勉強に行った時のようだ。
若者が地域で勉強会等を立ち上げて他社、自社、そして地域貢献という成功事例が出ているように思う。
・施行前に、お客様へ見本のボードを見せるが、そのボードの枠作りを障がい者に「いちょう企画」を通して委託し始めている。やはり、昨年の坂本教授とゼミ生の訪問後だった。
以下、原田社長の本を広めるために3月に紹介している。
ガイアの夜明けのネットから
「技を見て盗む」はもう古い! 若手職人確保の新たな手法は…
建物の壁や床などを「こて」で塗り上げる、左官職人。最盛期にはおよそ30万人の職人がいたというが、現在は5万人にまで減っている。
熟練の技が求められ、5~10年は修業しなければいけないが、最近は途中で辞めてしまう若手が多いという。
業界全体がそうした課題を抱えるなか、若手左官がどんどんと育つ会社があった。東京・文京区の「原田左官工業所」。
社員の平均年齢は30歳台で、10代、20代の職人の姿が目立つ。
高齢化が進む業界のなかで、異色の存在だ。
社内には、黙々と壁に「こて」を滑らせる若い職人たちの姿が。時折、パソコンの画面を覗き込み、自分の壁塗りフォームを確認する―。
熟練職人の”お手本”映像を見て、それを真似て練習しているのだ。
アスリートも取り入れている、「モデリング」とよばれる手法。
新人が、1カ月でプロの入り口に立てるようになるという。
取り入れたのは、3代目社長の原田宗亮さんだ。
若者が定着しない原因は、「仕事は見て覚える」として新人を積極的に教えない業界の風習にある、と考えた原田さん。
「モデリング」を導入したり、仕事にさまざまな工夫を凝らしたりして、若手がやる気になる仕掛けを用意した。そうして育った若手職人から今、意外なビジネスが生まれようとしていた―。
技を見て盗む」はもう古い! 若手職人確保の新たな手法は…
原田社長の「新たなプロの育て方」は人気殺到だ。
それを読むと3代目として生まれ継承を考えていた。
中学生の頃には女性職人がいるとTV等に取り上げられていた。
自分が継ぐのなら他の業界を経験した方が良いと携帯電話の部品メーカーに入社して営業職を経験する。
売上が順調だったが、スマホの登場でその会社は今はない。時代の流れに対応しなくてはいけないことを身をもって体験した。
3年勤務し、25歳の時に原田左官工業所に入社した時は、PCが1台もなかった。
新人を育てたいと言ったが社内で猛反対にあった。
2010年に札幌の「中屋敷左官工業」へ見学に行き、モデリングに出会う。
モデリングとは、
①動画を見て、一流職人の塗り方の動きを記憶して
②一流職人の動きを見真似て塗る
③塗っている姿を撮影
④一流と新入の動画を見比べて
①と④を繰り返す
と言うモノだ。あらゆる業種で活用できる手法だ。
原田社長の本は2月に出版された時には注文殺到で入手が困難だった。お薦めしたい。
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HPやブログ、SNSを巧みに使っている。
店舗のリニューアルに的を絞り込んで、事例がブログ等に掲載されている。
社員が50名に近づきつつあるが、月に150軒(件)程度の現場に働く場がある。
東京、銀座の「ランクアップ」さん等と同じくマスコミに取り上げられることが多い。
貴重な時間をとっていただいた原田社長に感謝したい。
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