知り合い、育ち合い、輝かせ合う命

6月3日(水)、障がいを持った子どもと一緒に育ち合っている冨士見幼稚園に伺ってきました。

 当初は、80名の募集をかけても30人しか集まらなかったり、「受け入れるのは構いませんが、うちの子の隣には座らせないでください」と言われることもあったそうです。

 1年ほど経営的にも苦しかったのですが、ある日、父親のPTA会を開きました。そこで「会社にもいろんな個性を持った人がいる」「今からあらゆる人を受け入れられる人間を育てたい」「社会と同じだ」という共感を得、奥さん(母親)にその情熱を伝えることによって理解が広まり、安定したとのことです。
 
 私が心を打たれたのは、当園の「保育のねらい」にも掲げている、『自分で考え、自分で行動できる子ども』の育成のしかたです。

 例えば、運動会。園が「運動会やります」ではなく、「やりたいかどうか」から始まります。今まで年長が創りあげてきた「運動会」にあこがれを持ち、”やっと自分たちが主導でできる”とはりきっている子と、やりたくない子がいます。
どうするか?・・・というと、やりたい子自らが、やりたくない子に「どうしてやりたくないのか」と働きかけ、「どうすればみんなでできるか」を考えます。≪先生はあくまで聞き役です。≫

 そして、運動会の日にち、時間、場所、(学年ごとの)種目などを決めていき、園長先生に場所予約のお願いに行きます。運動会の練習で、園から移動する際も自分たちで競技などに使う道具を持っていきます。
 目がランランと輝いている園児たちが目に浮かびます。

 また、新入児が入ってくると、最初のうちはまだ大人しいのですが、慣れてくると園内を自由に動き回るようになり、園でのルールに則った生活が乱れてしまうことがあります。入学時のオリエンテーションで、年長が経験を通して「何を教えなければいけないか」、「どう教えたらいいか」を話し合い、実施するそうです。

自分たちで創りあげる幼稚園生活。
教員の小暮さんは、卒園され今は中高生になった方の親御さんから「体育祭は学校から決められたもので、つまらない。冨士見は良かった。自分たちが作った」「あの頃オレたちは先生にやらせてもらってたんだよなぁ」との子どもたちの言葉を聞いたときは胸が詰まる想いでしたと、語っていました。

「保育の特色」では『お互いの関わり合いを大切にし、共に育ち合う』
       『すべての子どもは人として尊ばれ、社会の一員として重んぜられ…』
ということがうたわれています。
 すべては等しく尊い一つの命・・・ とても暖かい気持ちになり、近い未来私も冨士見幼稚園の保育を心に、子どもを育てていきたいと思いました。

※以前も書かせていただいたことのある「共育」という言葉にまた出逢い、幸せです。

M2 矢部 沙織理

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「知り合い、育ち合い、輝かせ合う命」への3件のフィードバック

  1. 矢部さん
    おはようございます!
    現地に行って伺わないと分からないことばかり。
    今回の訪問も本当に感動の連続でしたね。

  2. >村田光生さん
    本当に、現場での学びが多いですね。百聞は一見にしかず。園長さんの優しい雰囲気だけでも、いい幼稚園というのが分かります!ぜひ、園児がいる時にまた伺いたいですね(^ ^)