1日15分の宝さがしー雪どけ道のぬかるみをー
私はこんなにも父を思っていたのかと、亡くなった後で気付きました。
年末まで2ヶ月を切って、毎日15分ずつ、各部屋の片付けや掃除をしています。その時に出てくる宝物に心を奪われ、作業の手が止まってしまうことが多いのですが、先日は両親が私に贈った贈り物に添えられていた、詩が出てきました。
クセのある、紛れも無い父の直筆。しばらく見入って、その後、私にとって家で一番のお気に入りの場所(キッチン)の壁に飾りました。※最後に全文掲載してあります。
雪どけ道のぬかるみを~で始まる詩は、帰省の折に母が暗唱して聴かせてくれたもの。いい詩だから、書いて送ってと言っておいたら、贈ってくれたことを思い出しました。懐かしい。
こんな一つ一つが宝物です。掃除や片付けこそ、宝物に出会える場です。年末までに家中をピカピカにして、宝探しを続けたいと思います。
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『雪どけ道(町の辻)』
雪どけ道のぬかるみを
杖にすがりてトボトボと
歩み来たれる 老婆あり
行き来の車馬の絶えざれば
向こうの側へ行きかねつ
老婆の前を右左
行きかう男女 多けれど
北風寒き 町の辻
身なりいやしき老婆には
手をかす人もあらざりき
米屋の小僧 お得意へ
米を運びし帰り途
ひらりと降りて 自転車を
角の下駄屋にあずけ置き
すぐに老婆を導きぬ
「年の若きに感心な」
かく言う声をあとにして
小僧は乗りぬ 自転車に
国に母をや 残すらん
彼のまぶたに露ありき
下駄買う人も 売る人も
下駄屋にありし人はみな
彼の姿 見送りぬ
諭すべき子に諭されし
小さき悔いを抱きつつ
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このところ、ずいぶん寒くなり、体調を崩している方もいるかと思います。どうか、ゆっくりお過ごしください。そして元気になって、お会いする日を楽しみに待っています。(福満景子)
福満さん
大切なお守りですね。
知野 進一郎
福満さん
お父様は、おそばで見守ってくださっていると思います
本田佳世子
>本田佳世子さん
ありがとうございます。いつでも父は心の特等席にゆったり座っているようで心強いです。
>知野さん
宝物です。父、母を思うだけで心が強くなれるのはなぜでしょうか。つくづく愛情の深さを感じます。私もわが子を深い愛情で包みたいです。