価値観を転換しないといけないのだ
長文です。大事なことなので一挙に掲載する。
2005年にドラッカーが亡くなる前の1年半前にイーダスハイム女性伝記作家を呼んで、何回かのドラッカーの取材と共にGEのジャックウェルチ等も取材し、彼女が1冊の本にまとめ出版している。
日本のドラッカーの第一人者の上田敦生先生にも取材があった。
ハイムさんのまとめも含めて、上田先生はドラッカーのマネジメントには以下の三つの役割があると定義している。
「自らの組織に特有の使命を果たす」
「仕事を通じて働く人たちを生かす」
「社会の問題について貢献する」
法政大学大学院坂本光司教授、「会社経営の目的は、会社に関係するすべての人を幸せにすること」
ドラッカー「企業の目的は、顧客を創造すること」
この違いは大きい。目的と手段を間違えるケースは日常茶飯事だ。
最も著名なドラッカーの言葉はこれだろう。
企業の目的の定義はただひとつ「顧客を創造すること」にある。顧客の創造とは、お客に求められているものを創造すること。、、。
ドラッカーはこんなことも言っている。
顧客満足=CSと従業員満足=ESの二つが両立できてこそ、、。人を大切にすることと、業績をあげることとの間にどんな関係があるかは分かりません。
しかしそんなことは産業心理学者たちが研究すればいい。ただ、そういうことが事実として実際に起こった。それだけでないかとドラッカーはいうのです。
ドラッカーや産業心理学者たちが研究すればいいことを日本の坂本教授は結論を出している。
経営者の手帖の坂本語録等で教授が一貫して口とペンで言っていることがある。
経営者の手帖の90P、34 「CS」を飛躍的に高めたいなら、その前に、「ES」を飛躍的に高めるべきである。
CS、つまり顧客満足度を高める経営は、極めて重要である。
事実、CSを重視しない企業、CSの低い企業で安定的な好業績を持続している企業は、この世に存在しない。
だからこそ、重要なのはES、つまり社員満足度なのである。
「ESなくしてCSなし」である。
社員満足度は顧客満足度に優先するといっても過言ではない。顧客満足度を高めるのは、社員だからだ。
所属する組織や上司への満足度が低い社員、不信感のある社員が、顧客の満足度を高める、価値ある仕事をするわけがない。
ESが高ければ高いほど、社員は組織への帰属意識や愛社心を高め、CSを高め、組織や上司に貢献しようと努力する。
坂本光司教授が先月29日にビジネス社から出版した「利益を追わなくなると、なぜ、会社は儲かるのか」の40Pには、
成功法則07「会社経営の優先順位をきちんと見極める」の中で、「会社経営の目的は会社に関係するすべて(の)、が抜けている)人を幸せにすること」です。
「業績を高める、シェアやランクを高める、あるいはライバル企業に打ち勝つというのは、目的を達成するための手段であって目的ではありません。」これは口やペンで一貫している。
62Pからの成功法則12「幸せ軸」を主軸にすれば、業績もブレることなく安定して高くなる」の63Pで1割のブレない会社の経営者の皆さんは「会社とは何か」とあれこれ悩み模索した結果、
「人を幸せにし、満足させることだ」という答えを導き出したのだと思います」とある。
結果として、爆発的ヒットになっている「さらば価格競争」を出版した商業界の「商業界」12月の20Pからは坂本教授の巻頭提言にはこんなことが書かれている。
価格競争が「三方良し」で成立する前提には2つの背景がある。
一つは、社会全体が右肩上がりで、供給が追いつかないほど需要があり、量産・量販効果が期待できる状態であること。
もう一つは、アジア諸国に消費者が満足するような商品を開発する力がない場合だ。
それなら価格が高くても開発力・技術力のある日本企業は優位に立てる。
しかし、この二つの背景はすでに終焉しているとしている。
略、そこからの脱却をしなければ、略
安売りの先にあるのは殺し合いのスパイラルとしている。
知野、
戦後の高度成長期から平成バブルまでは、アメリカ型の経営(学)が成り立ったのである。
すなわち、社長や上司の態度に畜生!と思っても給与が上がっていたので、我慢でき、家庭に戻ってもお父さんががんばっているからより良い暮らしができるのでよかったのである。
平成バブル崩壊、リーマンショックと続き、給与は上がるどころか大幅カットや首さえ危ないという経営が続いている。
一方、アメリカは今日でも人口が増えて経済が依然として伸び続けているので、ポーターやドラッカーの考え方もまだ、通用するのだ。
3.11東日本大震災の残したもの、日本人の自分より他人を幸せを大切にする「絆」。
価値観を転換しないといけないのだ。
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