坂東太郎 小松製菓
1年前
5を前にその5 長文です。
1月16日に待ちに待った「日本でいちばん大切にしたい会社」の5が出版される。
1と2を紹介してきたので、3の順だが、4から紹介したい、固定観念にとらわれてはいけない(笑い)。
2013年11月22日に発売だったが、前日の21日に茨城県古河市にいる私の手元にあった。
著者の法政大学大学院、坂本光司教授の講演が茨城県古河市(こがし)の税理士法人報徳事務所主催で講師が坂本教授。
まだ、大学院の受験前だ。
本の2番目に「坂東太郎」さんが紹介されている。
坂本先生の講演は私を涙で聴いた。青谷洋治社長の生い立ちが坂本教授と同じようだ。貧乏で相当、苦労している。
昨年の常総の水害を思い出すが、坂東太郎さんの該当地域の2店舗は床を高く作ってあるので店内までの浸水はなかったと言う。
青谷社長が朝早くから夜遅くまで働き過労で倒れた。
高校生になった妹さんが退学して畑仕事をした。
バイクで出前の店員さんが生死を彷徨う事故を起こす。必死の願いが通じる。
店売りに換えてから3年、5店舗になり150名の社員に。
社員のお父さんが「こんな水商売の店で大事な娘を働かせてたまるか」。
平成バブル期で、より条件が良い、給料が高い他社へ異動し社員の1/3が退職する。
毎晩、店舗を閉めてからお母さんの墓前参り、3か月後にお母さんから「洋治、お前のところでは働いている人が幸せになれないから、会社を辞めていくんだよ。みんなを幸せにしておやり・・・」。
全社員を集めて社員の声を聴いた。
「社長に厭味を言われて、腹が立ったので、雑巾を絞ってお茶の中に入れたかった」。「靴で後ろから殴ってやろうと思いました」。
「規模の日本一」を目指すから「幸せの日本一」に転換する。
成功する経営者には貧乏の生い立ちが多い。東京の一流ホテルで火災で多くの死者を出した経営者は、社員にきつく社員の1/3が辞めていた。
価値観を金に置くと天罰が下るようだ。
昨年、坂本ゼミで坂東太郎さんを視察した。東京の市ヶ谷から茨城県の古河市まで、青谷社長の講演、名物味噌煮込みうどんを食べて、最終の新幹線に間に合わせる狂気の沙汰の幹事をつとめたので思い出深い。
坂本先生の講演会後に、青谷社長と名刺交換をし、昨年の1月14日の横浜ショコラボさんで一緒になった。
主催者の報徳事務所の赤岩茂先生(法政大学の数年後輩、昨年の財務戦略論の客員教授)のFacebookの当日来れば本を出版日の前日にプレゼントするという投稿が始まりだった。当時は、年間で東京を主に70回程の研修会に出席していたので、前後が研修会で幸運だった。
2の最初に紹介された会社は岩手県二戸市の「小松製菓」さんだ。
6月9日10日、浜松で開催された商業界ゼミナール全国女性同友会、第21回女性経営者セミナーの2日目は、坂東太郎の青谷洋治社長と小松製菓の小松努社長の講演だった。小松製菓さんには一昨年の坂本ゼミの夏合宿で視察した。食事も美味しく、せんべいの元となるお餅も美味しかった。
結果として1月14日のショコラボさんの視察から毎日、Facebookに投稿している。この中から坂本ゼミブロにも投稿している。
以下は、その投稿から。
小松努社長のお話。71歳とは思えない。
平成6年から数年間は、「売上が上がれば利益も上がる」と思い、設備投資をした。資金繰りの苦しさを味わった。
創業者は、大正7年生まれで平成14年に84歳で永眠された「小松シキ」さん。
講演の途中で小松シキさんの生涯を描いた映像が20分弱で流された。
「むすんでひらいてーおばあちゃんの南部せんべい物語」を読んで欲しい。
62歳の私が幼い頃の貧しい時代、幼い頃から働き始めて奉公にも出て苦労を重ねた。
結婚後も行商をして知り合いから古い煎餅の型を譲り受けたのが縁で南部せんべいを製造する。
冬は雪に埋もれる実家で、8人兄弟の末っ子として生まれたが上の男の4人は乳幼児で亡くなり、3人の姉も若くして亡くなった。当時の暮らしは貧しい。世の中に食べ物が不足していた。
どんな時代でも今日でも、置かれた環境、経験したことを楽観的、プラス思考で考える人と悲観的、マイナス思考で考える人がいる。
「シキさんは、そんな境遇を恨むこともなく、人を憎むこともなく、いつも明るくたくましく、現実を正面から受け止めてきた。逆境は自分を鍛える試練、努力するチャンスとしてむしろ感謝し、人生を切り開いてきたのだ。」
社訓「感謝と創造」はシキさんの生き方そのものだ。
「小松製菓、巖手屋(いわてや)」で検索していただくと、インターネットで色々な種類のせんべい等が購入できる。
昨年、夏合宿で購入したせんべい等はすべて美味しかった。
生前「瀬戸内寂聴」さんと交流があった。瀬戸内さんのまえがきがある「むすんでひらいてーおばあちゃんの南部せんべい物語」平成5年初版で8版になる著がある。アマゾンで購入できる。
東北方面、岩手へお越しの際は、二戸市の「小松製菓」に足を運んで欲しい。敷地内には「四季の里」がある。昔ながらの建物で食事も楽しめる。
日本の良さ、伝統を感じることができる場所だ。
2社の共通点、創業者の生い立ちは貧乏だ。
小松製菓さんの南部せんべい、8月に長野県伊那市の伊那食品工業の塚越会長をゼミ生有志で訪問したが、南部せんべいも店頭に置かれていた。
もちろん、インターネットでも注文できる。
いい会社同志の交換が広がりつつある。
いい会社同志が値引き競争をしないお付き合いを。
それ以外の企業同士が価格競争をしている、そんな日本地図をやがて描くことができると思う。
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