「当然イエスマンではなく、特に正しい経営をしているかどうかについて問題をはっきり指摘してくれる人を選ぶべきです。」
2014年4月に法政大学大学院 坂本光司(こうじ)教授の門を叩く。
その前年の12月に入学試験に合格し、今年からTKC全国会会長に就任した浜松市の税理士法人坂本&パートナーの坂本孝司(たかし)先生に送ったメールの返信だ。
入学してその凄さが分かった。坂本孝司先生は会計事務所を開業されてから、東京大学大学院博士課程でも学ばれた。時間がかかるけれど、外国の本を辞書を片手に一つずつ学んだ実感だった。
知野様
合格おめでとうございます。素晴らしいことです。従来の実務の経験に加えて、理論的バックボーンが加味されれば、
平和的核融合のような現象が引き起こされることでしょう。ますますのご研鑽と成果をご期待いたします。
坂本孝司
入学した直後に法政大学大学院 静岡サテライトキャンパスに所属する坂本ゼミ生を主に『逆風を追い風に変えた企業』(平成26年12月 静岡新聞社発行)に執筆者として手を挙げた。
坂本孝司先生を執筆すると言ったが、坂本光司教授は「知野さん。会計事務所ではなく一般企業にしなさい」と言われた。「坂本教授、税理士はその関与先企業に影響を与えます。お客様企業の数の経営者に影響を与えます」と話した。
打ち合わせ後、坂本教授から「坂本孝司先生は弟分と思う」と話された。嬉しかった。
坂本光司教授が昨年11月にビジネス社から出版した『利益を追わなくなると、なぜ会社は儲かるのか』の成功法則10の親族経営の成否は、ブレーンと“帝王学”で決まる。
にこんなことを執筆されている。
54P9行目から、弁護士、会計士もしくは税理士、社会保険労務士、経営コンサルタントなどと顧問契約結んでおけば安心でしょう。
1か月に1回程度来社してもらう程度であれば、中小企業の場合、顧問料は5~10万円出せば十分で(略)。何より電話1本で相談できる相手がいるというのは、心強いはずです。
ただし、そういったアドバイザーは、当然イエスマンではなく、特に正しい経営をしているかどうかについて問題をはっきり指摘してくれる人を選ぶべきです。(略)
経営上の問題を指摘しない顧問は何の役にも立ちません。その点について、昔、浜松に次のような税理士さんがいたことが思い出されます。
彼が顧問先に伝票を取りにいくと、そのなかにファミリーレストランの領収書がありました。客数が4名と記されていたため、社長さんに、この4人は誰かと問いただしたところ、家族であることが判明します。
そこで、この税理士さんは「家族で食事したのだから、あなたの給料から出すべきだ」と社長さんに領収書を突き返したそうです。
今や、この方は全国的に知られるようなってます。(略)
これが坂本孝司TKC全国会会長だ。
先週の提出日の土曜日に修士論文を提出した。テーマは「東海4県下の日本でいちばん大切にしたい会社大賞受賞企業の経営者は会計事務所に何を求めるかー中小企業の業績と会計事務所に関する研究ー」。
結論は、残念ながら会計事務所業界では先進的とされるTKC会員会計事務所でも、お客様企業から満足されている会員事務所は1/3しかなかった。
先行研究で取り上げた東京都のTKC会員の岡野論文は会員へのアンケート結果だが、私は前向きな経営者に聞いた結果だった。
多分、10年前は2/3が満足していたと思う。
この10年間で、行動計画まで踏み込んだ経営計画書作成のセミナーがあちらこちらで行われて、社員全員の経営計画発表会を行っている企業がFacbookの投稿には増えている。
こういった企業から見ると税金、税務署、税務調査があるから「先生」と言われているが不満であることが分かった。
セミナーの中には、銀行から借りれるだけ借りろと指導するコンサルタント・社長もいると昔、聞いていたが、誰か分かった。
定年退職まで36年間お世話になったTKCさんに勤務した。
困った質問をたびだび頂いた。TKC会員事務所だとすべての会員事務所が素晴らしいと思われているようだ。
どんな組織でも、2:6:2と答えていた。
今回、1/3しかいませんと答えることにした。
でも、TKC会員会計事務所の1/3は素晴らしいと思う。
こういった会計事務所を求めて欲しい。
一つの目安は毎月、会計事務所独自で作成するものも含め、事務所通信等の情報誌を送ってくる会計事務所かどうかを一つの目安として欲しい。
税理士はコスト・原価意識が高い。
1冊百数十円だがお客様企業への大切な情報を提供する意識だが、TKC創業者の故・飯塚毅博士が言われた「耳かき一杯の勇気」より易しい。
一匹おおかみと言われた税理士・公認会計士を飯塚博士が「TKC全国会」を設立した。
一会計事務所ではできないことが出来る。坂本光司教授も論文指導で何度も言われた。
TKCに入会されたばかりの先生も正しい先輩会員から学んで欲しい。
成長発展されたら後輩に伝えて欲しい。
中でも起票・初期指導と巡回監査は大切だ。
飯塚毅先生の町医者も正しいと思ったら自信を持って実行して欲しい。
前向きな経営者は、セミナーに学び、日々、お客様企業、社員から、、、。学び続けている。
教育から共育になっている。お客様と共に学ぶ姿勢が大切だ。
社会保険労務士は企業の56%が利用しているが、企業のニーズに合わなければ簡単に替えられている。
会計事務所を替える大移動、起きても不思議ではない。私とお付き合いのある前向きな経営者は脱税・粉飾の意識はまったくない。
師匠と同じ釜の飯を食え。鞄持ちをやれ。
師匠、坂本光司教授宅には1月4日にご自宅で2時間、12日に東京・名古屋間の新幹線の中で論文指導をいただく。
一昨日、18日に教授の名古屋の講演前に40分ほど、口頭試問の指導をいただいた。
満足する会計事務所は、所長先生の利他の理念を持ち、
担当したお客様企業に全力を尽くしてやってくれる会計事務所だと思う。
そこから感動が生まれる。
利他かどうか、結婚等でなく、職員・社員の退職が続いていたら所長の利己の結果だ。
1/3は、税理士だけでなく他の士業、コンサルタントにも言える。
坂本教授「当然イエスマンではなく、特に正しい経営をしているかどうかについて問題をはっきり指摘してくれる人を選ぶべきです。」
コメントを残す