私が坂本ゼミを選んだ理由
昨年6月の大学院説明会後の個別相談。
それが私が初めて坂本教授にお会いした時でした。行政機関に勤務している私は当初公共政策分野での研究を考えていたのですが、同じく関心の高かった政策創造研究科へ相談に行った際に対応頂いたのが坂本教授でした。先生の話に興味を持った私はその後先生の著書を読み、営利活動を行いながらも公共的観点を持って社会貢献している企業が多くあること、しかも財政力が決して豊富とは言えない中小企業であることに非常に驚いたことを記憶しています。私の日常業務においては鳥の眼(鳥瞰)の視点で判断することが多く求められますが、真に有効な施策は同時に虫の眼(現場目線)を持って現場で起きている事実を把握すること、魚の眼でその時の世の中の流れ(時流)をしっかりよむこと、そしてそれらのバランスを取りつつ行政を進めていくことが重要であることをOJTから学びました。
2020年、オリンピック・パラリンピックが56年ぶりに東京で開催されます。前回のオリンピックでは、新幹線の開通や首都高の建設、上下水道の整備、カラーテレビの普及、ユニットバスの登場など、大量生産、大量消費の高度成長期の中でインフラが整備され、また体育の日の制定をはじめ多くのもの(こと)がレガシーとして残りました。
一方、先進国となった現在の日本は、世界一の長寿国となったと同時に少子高齢化が急速に進み、大都市や中核市に人口が集中する人口の地域偏在が強まるなど社会環境が大きく変化しています。そのような環境下において女性の活躍はもとより障がい者、高齢者が活躍できる共生社会の実現こそ真の先進国と言えると思いますし、次回のオリンピック・パラリンピック東京大会では、そんな成熟した日本の姿が世界に発信され、またレガシーとして残ることを期待しています。
私は坂本教授の著書で、女性、障がい者、高齢者を多く雇用し、且つ業績を伸ばしている中小企業が多数存在する事実を知りました。日本全体の経済活性化のためには、地方が活性化しなくてはいけませんが、地方活性化のカギは地域の中小企業だと思っております。
そして中小企業の業績アップのカギが人本位の経営であること、利他の精神をもって経営していることを事例研究の中から見出された坂本教授から多くのことを学びたいと考えるようになりました。それは、人本位であることや利他の精神は、企業の規模や官民問わず組織の発展的成長には共通していると考えるからです。これからゼミを通して多くのことを学び地域活性化や組織活性化の取組みに微力ながらも貢献したいと思っております。
坂本ゼミ 修士課程1年 松 田 典 明
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