優しき人々。。その1、シルエット

           優しき人々。。その1、シルエット

町内会の前の会長が亡くなった

皆で貸し切ったマイクロバスに乗ってお焼香に行く
妻と、同じ町内に住み娘夫婦と孫も通夜に列席した

そこで町内会長の遠縁に当たるおばあさんを見た
年老いて腰の曲がった彼女を一人の女性が支えて付き添っている
娘さんか?と見まごうかと思うその人は、親戚縁者ではなく近所の若奥さんであった

最近、娘の家の向かいに引っ越してきた若夫婦の奥さんである
何故、彼女が町会長の遠縁のおばあさんの手を引いているかの理由は分からない
いや、理由などなくても良い
何故ならそれが目の前にある事実だからだ

帰りのバスから下りる人々を振り返って見た
長身のまだ30歳代の彼女が抱えるようにおばあさんを支えて一緒に歩いている

月明かりが二人を照らし、その映像はシルエットとなって私の視界の中から消えることなく、それはやがて
私の心の中に取り込まれていく。。

先日の私の町内会で見たワンシーンを書いてみました

先週の法政大学政策創造研究科坂本光司研究室で南部せんべい小松製菓創業の小松シキさんの奉公に出るときの物語をM1生として音読させて頂きました

貧しくて、尋常高等小学校卒業後に奉公に出されるシキさんの悲痛な叫び
そして、いつの時代でも母親はその姿を見て心を痛める
そんな姿に私の心は激しく揺さぶられます

人は意に反して離れ離れになる事も人生では数多くある
しかし想いは時空を超えていく

私は坂本先生のアカデミックな部分とあたかも対峙するかのような心の処方箋となる授業も好きです

修士1年     山元証

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