桜桃忌

坂本ゼミblogの一番槍、○石さんが太宰の生誕100年について少し書かれていましたので便乗してみます。(案外ネタ探しって大変ですよね・・)

太宰作品は10年以上前にほぼ全て読みましたが、結構忘れているので適当な事かくかもしれませんが、ご容赦を。
一般的に太宰治は、自らの生活を作品の中に赤裸々に綴った“私小説”作家だと云われますが、実は“私小説風”作家です。数多くの作品の中で太宰本人らしき主人公が登場しますが、太宰自身の過去と完全に一致した話ではなく、多分に脚色されています。ですから、彼の作品=彼の人生、と読み説くのは危険です。
作品は前期、中期、後期と分けられますが、私が一番好きなのは中期の作品群です。中期で有名なのは「お伽草紙」や「走れメロス」などでしょうか。

一人称体による読者への直接の語りかけは、太宰作品の大きな魅力です。「駆け込み訴え」や「女生徒」などは、読者をぐいぐいと作品の中に引き込む力があると思います。
たしか敗戦頃を境にして、「冬の花火」あたりから後期に入りだします。作品の中に影が落ち始めるんですね。こうして「人間失格」を書き上げた後、「グッドバイ」を未完のまま入水してしまいます。

私の個人的感想ですが、太宰治本人の人生には共感できません。しかし、彼の中期の作品は傑作ばかりです。
学生の頃(今も学生ですが…orz)一番好きだったのが「黄金風景」です。題名は失念しておりましたが、最後の文章を一部記憶していたので検索して探しました。ついでに読んでみました。

今読んでもやっぱりいい作品だなぁ・・・・。
ということは、私は成長していない?!う~ん、、、それも困ったな・・・。

今はインターネットで著作権の切れた作品を公開しているようです。
参考までに。
インターネットの電子図書館「青空文庫」
http://www.aozora.gr.jp/index.html

鈴木k

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