兄弟

野口具秋です。
日曜日に弟夫妻が初めて2人して我が家を訪れた。5年ほど北海道・鵡川で暮らしていた弟が結局ナチに戻り、2年ほど前、妻を娶り埼玉に移住。だが来年3月に再び北海道に戻るというので挨拶に来たのだ。同時に初孫をもたらした長男が偶然に広島から来ることになった。子供ができ9か月経過していた。単独の帰宅であったが大きくなった孫の写真を持っての登場。またとな好い機会であった。お互いが久しぶりの宴となった。

我が家は手製の料理でもてなしするのが当り前にしている。懸命に私も何種類か作る。初めて来た嫁は珍しそうに口にする。当方からすれば定番であるのだが美味しいと言ってはしを運んでくれる。最近客も少なく作る機会が滅法減ったので感が悪い。土産の北海道産無添加のワインで久しぶりにワイフもグラスを重ねる。

逃げるように奈良に住んでいた弟は北海の地に職を探し、「内地には2度と戻らない」と宣言して小さな町で地域住民に医療サービスと趣味の登山にのめり込み、遂に世界最高峰の登頂に成功して歴史にも名を残した。それが極寒の地に根を上げ、内地に舞い戻って来た。再びの北海道移住は一人ではなく、北海道に住む伴侶と一緒であるのが前回と違る。

毎回のことであるが大量のアルコールで正体なく睡眠に入っている弟を横目に、ほとんど会話を交わしたことのない再婚者と話を進める。遠慮のない会話は私の性癖なのかも知れない。人間はどんな境遇や環境にあっても幸せになる権利があるし、幸せを作らなければなりませんと告げる。比較的近くに住む兄弟であっても、年1回程度しか交流がない兄弟付き合いであるが、遠いところへ居を構える決心を伝えにきた弟の寝顔をそっと見てしまつた。

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