理念経営を世界へ

あふれんばかりのベンツやBMWなどの高級車とおんぼろリヤカー
の三輪車がスモッグと砂ぼこりで息も苦しい中国浙江省の杭州・
義烏の街を往来していました。


巨大市場の義烏の一角をホテルから撮影 空はスモッグで息苦しい

これほどまでに格差社会が進んでいるとは驚きました。

かつて日本が体験した高度成長、環境破壊、バブル、バブル崩壊
という欲望サイクルが何十倍も早いスピードとスケールで中国を席巻
しているということを体感しました。

しかし、これは由々しきことです。成長の規模が大きすぎるため環境
破壊の規模も甚大なものとなるでしょう。水俣病のような国内の公害
問題では済まず、地球規模の公害が中国発で引き起こされることを
懸念します。

もうとっくにその現象が起きていることをわれわれは知っています。

「理念経営の目指すところは『世界平和』」と語ったのは、沖縄教育出版
の川畑保夫社長でしたが、本気でそう思います。
中国に理念経営を浸透させることは世界平和の実現に大きく寄与する
と確信します。しかし、それがどれほど険しい道であるのかということも
同時に肌身で感じました。

ホスピタリティのホの字もない接客、金の力だけが圧倒的にモノをいう
社会、完全に空気が汚れているのに歯止めをかけず無節操に成長だけ
を追い求める際限のない上昇志向、そして人々も、自分の店先でも躊躇
なく平気でゴミを捨てる、食堂では食い散らかして席を後にする、全く譲り
合いをしようとしないドライバー(横断歩道を渡るのがこんなに怖いと思った
ことはありません。)…。


その男は大声をあげテーブルにご飯をひっくり返し立ち去って行った

中国で理念経営など夢のまた夢かもしれません。

しかし、あんなにモノがあふれかえっているのに全く人々は幸せそう
ではありませんでした。笑顔に出会うことが極端に少ないのです。
だから金やモノが人を幸せにするのではないということを彼らが気づく
可能性も決して低くはないのではないかと思うのです。

何とかしたいです。一人の力では限界がありますが、皆で力を合わせて
進んでいけば活路は拓けるでしょう。

「日本でいちばん大切にしたい会社」の中国語版が出されるようです。

あれを読んだら、さすがに中国の方々も感動されることでしょう。そして、
心のあり方の大切さに気づいてくれるはずと信じたいのです。本が多くの
中国人の目に止まってほしいと願いますし、まずは、その啓発をしていき
たいと思っています。

前出の川畑社長は、最近やたらと海外に出かけていますが、きっと
壮大なことを考えているのではないかと思います。

理念経営を志している経営者と連携をして「理念経営を世界へ」広げる
活動をしていきたいとまたひとつ目標が増えました。エベレストの頂ほど
の高い高い壁を乗り越える必要がありそうですが、以下の話を胸に刻んで
進んでいくことにします。

「僕たちの会社は宇宙開発が目標ではなく、あることを実現するための
手段と考えています。それは『どーせ無理』という言葉をこの世の中から
なくすことです。」(植松電機 植松努氏)


通訳ガイドしてくれた可愛いチャンリーちゃんの笑顔のためにも理念経営を中国に

(月曜担当:小林秀司)

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