大手

月曜担当の鈴木(良)です。

 本日の日経に、「武富士、更生法申請へ」の記事が掲載されていました。武富士といえば消費者金融大手4社の1社で、かっては、消費者金融の雄と呼ばれ、ピーク時には、大手都市銀行をも上回る収益を計上していた会社です。

 この会社が、事実上倒産したことに、時代の流れを感じざるを得ませんが、急激な成長は怖いとつくづく思います。民間金融機関が殆ど重視しなかった消費者金融ビジネスにいち早く参入し、金利は高いが手軽に借りられる容易さが受けて、あっという間に成長したことは、皆さんご存じのとおりです。

 しかしながら、こうしたビジネスモデルは必ずほころびが来ます。「サラ金地獄」に代表さえるように社会問題化し、現在では、過払い金返還負担が重くのしかかっています。かっての高収益企業は、利用者の犠牲の上に成り立っており、いまそのつけがまわってきたとも言えるでしょう。

 さらに、融資額の上限を年収の三分の一とする上限規制が定められ、業界にとっては追い打ちをかけられたことになりました。武富士の融資残高はピークで1兆7千億ありましたが、現在では6千億を切っていたことを見てもその影響の大きさが伺えます。

 弱者救済の名のもとに、大きな痛手をうけたのですが、利用者の自己責任論があまり浮上してこなかったことも不思議でした。違法な貸し付けは断固として規制しなければなりませんが、個人金融市場が、このまま縮小することは経済の活力をそぐことにつながります。新たな対応策が望まれます。

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