自粛ムードに思う
水曜担当の鈴木(良)です。
東北・関東大震災から12日経過、被害の全容はいまだつかめず、死者・行方不明者が2万4千人を超え、自然災害としては、関東大震災に次ぐ規模となっています。
そんな中で、避難所や自宅で不自由な生活を強いられている被災者の方々に徐々に救援物資が渡り始めた明るいニュースも流れ始めています。しかしながら、最前線で不眠不休で働く人々を見るにつけ、厳しい現実に戻されます。
今日から、春の選抜高校野球が始まりました、被災地の窮状を考え、開催については賛否両論があったと思われますが、出来るだけ質素に開会式を行い、高校球児の真剣なプレーを見てもらい、被災者を元気づける考えには一理あると思います。
当地静岡でも、4月の静岡祭り、5月の浜松祭り、7月の安倍川花火大会が相次いで中止となりました。被災地を慮っての決定でしょうが、こうした自粛ムードは一方では、日本全体に閉塞感が蔓延する危険性をはらんでいます。単に中止することが良いのか、別の形で開催の検討はできないのか、もう少し議論できなかったのかと考えます。
先日、静岡大学人文学部社会学科の卒業祝賀会(後から食事会に変更)に同窓会役員として出席しました。開催については、ためらいもあったようですが、アルコール抜きで和やかなムードで実施できたことは卒業生諸君にとっても良い思い出になったのではと思います。
これから、スポーツ、地域のイベント、企業・学校行事など様々な分野で開催の是非が議論されることと思いますが、初めに中止ありきではなく、どういう形だったら実施できるのか考える姿勢が必要だと思います。もちろん、派手な騒ぎは論外でしょうが。
現在の自粛ムードを見ていると、日本がなぜ、あの愚かしい戦争を始めたかわかるような気がします。国民全体が、不謹慎という地雷を踏まないようにじっとしているような気がしてなりません。
愛知県の大村知事が以下のコメントを発しています。
このような大局観も必要では?
3 県内市町村におけるイベント等について
・昨日の臨時部長会議においても申し上げましたが、今一番重要なことは経済活動をシュリンク(縮小)させないことであります。愛知の様々な経済活動をしっかりと支えていくことが不可欠であります。
・こうした観点から、本県としては、実施予定のイベント等については中止することなく、粛々と行うこととし、その際、あわせて義援金等の呼びかけを広く行うこととしております。
・また、県内市町村においても、19日からの連休などで様々なイベント等が予定されておりますが、今回の事態を受け、これらのイベント等を中止するのではなく、広く義援金等の呼びかけを行っていただく機会と
するよう、県内各市町村に対して強く働きかけてまいります。このため、本日午後3時から県庁で県民事務所等所長会議を緊急に開催し、その旨の指示・徹底を図ったところであります。
・さらに、企業や各種団体等におかれても、この趣旨をご理解いただき、広く支援活動に対応していただくようお願いする次第であります。
平成23年3月15日 愛知県知事 大村秀章